環境マネジメント
基本的な考え方
事業活動が地球の資源に依存していることから、気候変動をはじめとする環境問題への対策はモノづくり企業の必須課題です。artienceグループは、早くから環境保全を重要な課題と認識し、「環境に関する基本方針」を制定(2024年1月改定)して環境負荷低減に取り組んできました。当社グループの環境マネジメントシステムでは、環境に関する基本方針をISO 14001における環境方針と位置付け、全社員への周知・徹底を図るとともに、それぞれに目的・目標を設定して、実現に向け取り組みを推進しています。
artienceグループ(以下、「当社グループ」という)は、創業以来、化学品の開発・製造・提供を行うなかで、事業活動を展開する国または地域の法令・規制の遵守ならびに国際行動規範の尊重に努めてきました。なかでも、地球環境や地域自然環境の保全と環境負荷低減、そして適切な化学物質管理による人びとの安全や健康の維持向上は、化学製造業である当社グループの重大な経営課題として取り組んできました。
この基本的な考え方に基づき、「環境に関する基本方針」(以下、「本基本方針」という)を定めるとともに、あらゆる事業活動において環境に関する社会的責任を果たし、社会の持続可能性向上への貢献に努めます。
- 適用範囲
本基本方針は、当社グループを構成するすべての会社およびすべての組織に適用されます。なお、当社グループの役員、顧問、社員、契約社員、パートタイマー、派遣社員ほか当社グループの業務に従事するすべての人(以下、「役職員等」という)に、本基本方針の遵守を義務付けます。さらに、当社グループのサプライチェーンを構築するすべてのサプライヤーおよびビジネスパートナーやその他の関係者に対しても、本基本方針に対する理解と支持を求めます。 - 環境マネジメントシステムの構築と運用
当社グループは、ISO 14001をベースとした国際基準の環境マネジメントシステムを構築し、多様な環境リスクの把握と評価、リスクの回避とリスク発現時の影響軽減、中長期の環境目標の達成に取り組む全社的な体制を継続的かつ発展的に運用します。 - 環境保全・回復に資する製品・サービスの開発と提供
当社グループは、製品・サービスの開発と提供において、原材料調達、生産、流通、使用、廃棄・リサイクルに及ぶライフサイクル全体での環境負荷低減を目指し、環境保全・回復と人びとの健康・安全への配慮に努めます。 - 気候変動への対応
当社グループは、気候変動への対応を重要課題として、サプライチェーン全域でのあらゆる事業活動におけるエネルギー消費量の削減と、CO2をはじめとする温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーへの積極的な転換、カーボンニュートラルの達成に努め、脱炭素社会の実現に貢献します。 - 廃棄物管理と汚染防止
当社グループは、生産プロセス改革と資源循環の促進による廃棄物発生量の最小化を目指すとともに、土壌・排水・排気における汚染防止の徹底に努めます。また、汚染物質ではないものの、生活環境に悪影響を及ぼす騒音・振動・臭気についても最大限の対策を講じます。 - 資源の持続的な活用
当社グループは、製品開発や処方設計、生産プロセス改革を通して、水・化石燃料・鉱物・生物由来素材などの天然資源の保全と使用量削減に取り組み、原材料の代替やリユース、リサイクルの促進など、省資源・省エネルギーに努めます。 - 化学物質管理
当社グループは、化学物質に関するグローバルおよび地域の法令等に従って化学物質を適切に管理します。高有害性原材料の削減・代替、生産活動等における化学物質排出量の削減、生産現場および製品使用現場における作業者への曝露抑制を推進するなど、化学物質リスクの最小化と発現阻止を図ります。 - 水資源管理
当社グループは、事業活動にまつわる水資源管理を徹底し、用水・排水・水質に起因する環境負荷や生態系への影響を最小化するとともに、事業継続や地域社会の持続可能性を左右する水リスクの把握と評価、適切な管理と対策の実施に努めます。 - 生物多様性
当社グループは、事業活動が影響を及ぼしうる生物多様性の保全と回復を目指し、生物資源の持続可能な利用、土壌・水・森林・大気ならびに生態系への負荷低減、地域社会と連携した生物多様性の保全活動に積極的に取り組みます。 - 情報発信と対話
当社グループは、製品・サービスや事業活動における環境への取り組みについて積極的に情報発信し、お客様、生活者、社員、行政や地域社会などとコミュニケーションを図ることで、環境保全活動の推進と、人びとの安全・安心・健康の向上に努めます。 - 啓発と教育
当社グループは、役職員等が、地球環境の現状、および環境保全と回復の必要性を強く認識し、グループ全体として地球環境の持続可能性の向上に貢献できるようになるべく、適切な啓発・教育活動を継続的に実施します。 - 改廃および管理
本基本方針の改廃は、artience株式会社の取締役会が決定しこれを行います。
また、本基本方針の改廃事務等を行う所轄部署は、artience株式会社の環境活動を統括する部署とします。
1996年6月 制定
2024年1月1日 改定(2023年12月8日取締役会にて決議)
環境マネジメント体制
代表取締役社長がサステナビリティ推進体制の最高責任者であり、気候変動対応を含む環境マネジメントの最高責任者です。環境マネジメントは代表取締役社長を通じて取締役会の監督下にあり、サステナビリティ担当役員(サステナビリティ委員長)が実務担当責任者として推進しています。
サステナビリティ委員会とその傘下のESG推進部会がグループ全体の環境に関する中長期計画・目標の策定、進捗状況の確認やテーマ別の活動を行い、サステナビリティ委員会やサステナビリティ会議(全社会議)などで経営層に報告しています。
目標に向けた日々の活動については、artience(株)ESG推進室が専任組織としてグループ全体の統括・管理を行うとともに関連部門と連携しながら2050年を見据えたサステナビリティビジョンasv2050/2030に向けて取り組んでいます。
目標
近年の気候変動対応やカーボンニュートラル、SDGsへの取り組みに関するグローバルの動向など、企業に向けられた要請が活発化している社会状況に対応するには、より長期的な視野での取り組みが必要と考え、2050年を見据えた中長期目標としてサステナビリティビジョンasv2050/2030を2022年1月に策定しました。
asv2050/2030は、2050年を目標年としてあるべき姿を示した「asv2050」と、そのマイルストーンとしてバックキャストした2030年目標「asv2030」の2つで構成されています。当社グループは、サステナビリティビジョンasv2050/2030をサステナビリティ活動の指標として、取り組みを強化しつつ、2050年の「カーボンニュートラル達成」を目指します。
サステナビリティビジョンasv2050/2030
asv2050/2030(2030年目標) 2050年へのマイルストーン SDGs達成への貢献 |
asv2050/2030(2050年目標) カーボンニュートラル達成 |
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1. 持続可能な社会を実現させる 製品・サービスの提供 |
・サステナビリティ貢献製品の売上高比率80% ・ライフサイクル視点でCO2排出削減に貢献できる製品の拡大 |
・すべての製品をサステナビリティ貢献製品に ・お客様の脱炭素化に貢献 |
2. モノづくりでの環境負荷低減 | ・CO2排出量: (国内)50,000t(2020年度比35%削減) (海外)95,000t(2030年度BAU比35%削減) ・廃棄物外部排出量(国内):6,450t(2020年度比 50%削減) ・有害化学物質排出量(国内):91.9t(2020年度比30%削減) |
・生産活動でのCO2排出量を実質ゼロ、環境負荷を最小化 ・廃棄物の発生を最小化 ・持続可能な水利用を実現 |
3. 信頼される企業基盤の構築 | ・環境・社会調和な原材料調達の実現 ・社員の多様性の尊重、自然・地域との共生 ・絶え間ないガバナンス体制の再構築 |
・サプライチェーン、人材・地域活動、ガバナンスを環境・社会貢献の視点で継続的に改革・変革 |
新中期経営計画artience2027(2024~2026年度)での環境目標
目標・KPI | |
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1. 持続可能な社会を実現させる製品・サービスの提供 | サステナビリティ貢献製品の推進 |
2. モノづくりでの環境負荷低減 | ・CO2排出量 (国内):59,500t(2020年度比23%削減) (海外):104,000t(2030年度BAU比29%削減) ・廃棄物外部排出量(国内):8,400t(2020年度比 35%削減) ・化学物質排出量(国内):105.0t(2020年度比20%削減) ・エネルギー原単位(海外):165.0L/t(2020年度比3%削減) |
3. 信頼される企業基盤の構築 | 生物多様性の推進:植樹などによる森林保全と、地域の河川・湖などの環境保全の推進 |
前中期経営計画SIC-Ⅱ(2021~2023年度)での環境目標
目標・KPI | |
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1. モノづくりでの環境負荷低減 | ・CO2排出量(国内):67,500t(2020年度比12%削減) ・廃棄物外部排出量(国内):10,500t(2020年度比19%削減) ・化学物質排出量(国内):118.2t(2020年度比10%削減) ・エネルギー原単位(海外):165.0L/t(2020年度比3%削減) |
2. 持続可能な社会を実現させる製品・サービスの提供 | 環境調和型製品売上高構成比:70.0%(2020年度比4.0ポイント増) |
3. 自然・地域との共生 | 生物多様性の推進:植樹などによる森林保全と、地域の河川・湖などの環境保全の推進 |
法規制遵守状況
2023年度、当社グループの国内外の事業所において、緊急事態対応を要する環境事故の発生はありませんでした。また、国内では環境関連の法規制に関連する行政指導はありませんでした。海外では、指導があった際は適正な対応を図り不備を改めています。