TCFD提言に基づく情報開示
世界的なGHG(温室効果ガス)排出量の増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動は、グローバル社会が直面している最重要な課題の一つです。artienceグループは、気候変動への対応は企業活動に大きな影響を及ぼしうる重要な経営課題と認識し、2020年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。また、2023年3月にはJCI(気候変動イニシアティブ)に、2024年4月にはGXリーグにも参画しました。現在、当社グループのサステナビリティ戦略の核となるサステナビリティビジョンasv2050/2030をベースとして、2050年カーボンニュートラル達成に向けたCO2排出量削減に取り組むなどの気候変動対応活動を進めるとともに、TCFD提言に則った情報開示を行っています。
ガバナンス
気候変動対応を含む全社サステナビリティ活動を統括し、組織横断的に推進するサステナビリティ委員会は、代表取締役社長を通じて取締役会の監督下に置かれています。重要なテーマについては、グループ経営会議での協議・決議を経て、取締役会に報告され承認を受けます。
代表取締役社長は、当社グループの気候変動対応に関する最高責任者としてサステナビリティ委員会を監督し、全社サステナビリティ活動に関する経営判断の最終責任を負うと同時に、活動の執行責任者としてサステナビリティ担当役員(サステナビリティ委員長)を任命しています。
委員会の下位組織であるESG推進部会は、気候変動対応を含む全社サステナビリティに関わる具体的な活動を企画・推進しています。さらに、気候変動対応活動の経営に対する実効性を高めるべく、2023年7月に設立されたESG推進室が中心となって、気候変動対応に関する情報収集、リスク/機会の特定・分析・評価、社内ルール策定、情報開示などの実務を担い、経営層やグループ機能部門、事業各社経営管理部門などと連携・協働して、気候変動対応の経営計画・事業計画への組み込み強化、気候関連目標の諸活動の具体化や予算化を推進するなど、体制における連携強化を図っています。
報告内容 | |
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2023年6月 | TCFD提言に基づく気候関連情報開示(第2次)の内容報告(統合レポート2023掲載) |
2023年9月 | 拠点毎の脱炭素ロードマップ策定、グローバルCO2排出可視化の進捗報告(サステナビリティ会議) |
2024年2月 | サステナビリティ委員会2023年度活動報告&2024年度活動方針説明 |
会議体・組織 | 気候変動対応における役割・活動 |
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取締役会 | グループ経営会議において決議された気候変動対応に関する取り組み全般を承認・監督する。 |
グループ経営会議 | 気候変動対応に関する重要なテーマについて協議・決議し、取締役会に報告する。 |
サステナビリティ委員会 | 気候変動対応に関する具体的な方針・計画・施策を審議し、取締役会およびグループ経営会議に報告する。 |
ESG推進部会 | 気候変動対応に関する具体的な方針・計画・施策を立案・策定し、各社各部門と連携・協働して活動を実施・推進する。定例会を毎月開催。 モノづくりチーム:各生産拠点のGHG排出削減施策実行支援、情報集約・共有、横串系企画の推進 可視化チーム:製品CFP(カーボンフットプリント)可視化に関するルール策定、システム構築、体制構築 原材料チーム:サステナブルサプライチェーン構築、 Scope3排出量削減のための原材料低炭素化推進 企業基盤チーム:TCFD提言に基づく気候関連情報開示の戦略策定と開示実務 |
リスクマネジメント部会 | ESG推進部会と連携し、気候関連リスクを他の企業リスクと同様に特定・分析・評価する。定例会を年2回開催。 |
グループ機能部門 | 気候変動対応の経営計画への組み込み、予算化、法的対応、人的資本強化、社内外情報発信などの実務を推進・実行する。 |
ESG推進室 | 経営層・グループ機能部門・事業各社経営管理部門と連携し、気候変動対応の経営計画への組み込み強化と、気候関連目標の諸活動の具体化や予算化を推進する。 |
事業会社 | ESG推進部会と連携した経営管理部門・生産部門・販売部門・技術部門がそれぞれ、気候変動対応の事業計画への組み込みと推進、原材料サプライヤーとの連携と生産プロセス改革、低炭素製品のマーケティングと販売推進、低炭素化に向けた技術研究開発などを担う。 |
リスク管理
リスク/機会の管理プロセス
当社グループは、サステナビリティ委員会の下位組織であるリスクマネジメント部会を中心とした全社リスクマネジメント体制を構築しています。気候関連リスクは他の企業リスクと同様、当社グループの持続的成長に影響を与える要因であり、戦略上の適切な対応を図ることによって、リスク発現の予防や発現した際の影響の軽減はもとより、事業収益の増大や市場評価の向上などの機会にもつながると認識しています。気候関連のリスク/機会は、ESG推進部会とリスクマネジメント部会が連携し、企業リスク全般と同様の管理プロセスを適用して管理されています。
ESG推進部会では、気候関連のリスク/機会を特定・評価し、グループ経営会議および取締役会へ報告するとともに、またサステナビリティ会議(全社会議)を年1回開催し、経営層やグループ各社の部門長職だけでなく一般社員にも聴講の機会を設けることで、当社グループ内での情報と認識の共有を図っています。加えて、eラーニングやウェビナーによる気候変動関連の教育・講習を社員全体に実施することで、気候変動関連の意識醸成や最新情報の習得、リスク感知力の向上などに努めています。経営層ならびにグループ各社は、これらのリスク/機会を基点とした対応策やアクションプランを経営計画や事業計画に組み込み、具体的施策に反映しています。
リスク/機会の特定・評価プロセス
ESG推進部会は、TCFD提言で定義されているリスク/機会の分類(移行リスク:政策と法・技術・市場・評判、物理リスク:急性的・慢性的、機会:資源効率・エネルギー源・製品とサービス・市場・レジリエンス)と、当社グループのバリューチェーンプロセス(調達・生産・物流・販売・開発・管理・使用・廃棄)のマトリックスを用いて、気候変動に伴うリスク/機会を網羅的に抽出しました。さらにグループ各社の部門責任者を対象にしたワークショップ(2022年2月実施、34名参加)において、これら抽出結果の妥当性(実務や現場の状況との合致)を確認しました。その後、これら抽出された約300項目のリスク/機会を整理して41項目に集約し、異なる2つの気候変動シナリオ(1.5℃と4℃)に沿って財務影響度と発現可能性の2軸でインパクト評価を行いました。この評価結果に基づいて、当社グループにとって重要と考えられるリスク4項目と機会2項目を特定しました。(2021年12月~2022年5月実施)
整理・集約したリスク/機会項目(一部)
移行リスク |
政策と法 |
・炭素税導入や排出権取引価格高騰によるコストの増大 ・GHG排出などの環境規制の強化・変更とそれに対する生産設備への影響 |
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技術 |
・脱炭素社会への移行に伴う既存技術の価値低下 ・低排出製品への移行に伴う設備投資・人材育成・研究開発コストの増大 |
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市場 |
・資源循環・脱炭素への移行に伴うパッケージ・印刷関連の需要減少 ・非化石由来・リサイクル原材料の使用や規制対応などによる原材料・エネルギー価格の上昇 |
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評判 |
・顧客からのGHG排出量削減要請に応えきれないことによる選好性の低下 |
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物理リスク |
急性的 |
・気象災害によるサプライチェーン分断に伴う供給不全や事業機会の逸失 ・気象災害に起因する設備・施設の損壊、インフラ停止に対する復旧コスト増大や事業機会の逸失 |
慢性的 |
・洪水/渇水リスク地域に所在する自社拠点の対策や移転コストの増大 |
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機会 |
・顧客の省エネルギー・GHG排出量削減・資源循環につながる製品の需要拡大による売上増加 ・気候関連の新規ビジネス(脱炭素材料や感染症対応製品など)の市場形成・拡大による事業機会の獲得 |
戦略
当社グループは、世界的な気候変動および各国や地域行政が講じる政策・施策は、市場環境や原材料調達、消費者の選好性を大きく左右し、事業の継続や業績に強く影響すると認識しています。これについて、当社グループは「気候変動対応に関する方針」(2022年4月制定、2024年1月改定)を掲げ、こうしたリスク/機会を分析し、経営方針や事業計画に反映させています。
artienceグループ(以下、「当社グループ」という)は、世界的なGHG(温室効果ガス)排出増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動は、グローバル社会が直面する最重要の社会課題の一つであり、気候変動への対応は当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼしうる重要な経営課題であると認識しています。この認識に基づき、当社グループは、気候変動に関するグローバルな要請に積極的に対応し、気候変動対応活動を通じて、社会の持続可能性向上への貢献に努めます。
- 気候変動対応推進体制の構築
当社グループは、当社グループの全社の気候変動対応活動を統括する、経営直轄の推進体制を構築し、グループとしての気候変動対応施策の推進に取り組むとともに、経営戦略や事業戦略への気候変動対応の導入を推進します。 - GHG排出量の把握と削減
当社グループは、2050年でのカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、グループ全体の事業活動におけるGHG排出量の把握と削減に努めます。特にGHG排出量削減については、サプライチェーンも含め実効的な削減施策を推進します。 - 気候変動対応に貢献する製品・サービスの提供
当社グループは、製造時のCO2排出量が少ないだけでなく、使用時のCO2排出を抑制したり、気温上昇した環境への適応を支援したりするなど、お客様や生活者の気候変動対応活動に貢献する製品・サービスを開発、提供することで、社会に「環境価値」を提供します。 - 気候変動リスクへの対応と事業・拠点の強靭化
当社グループは、グループの事業活動や操業拠点における気候変動が及ぼすリスクを評価し、継続的なモニタリングとリスク低減・回避に向けた適切な対応策を講じることで、事業や拠点のレジリエンス向上に努めます。 - 気候変動対応活動に関する適切な情報開示
当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)をはじめ、気候変動対応に関する主要なイニシアチブに賛同・参加し、当社グループの気候変動対応活動について積極的かつ適切に情報開示します。 - 気候変動に関する啓発と教育
当社グループは、社内において気候変動およびその対応に関する意識や知見を高め、あらゆる事業活動への気候変動対応の導入を推進するため、当社グループの役員、顧問および社員を対象とした適切な啓発・教育活動を行います。
2022年4月25日 制定
2024年1月1日 改定
シナリオ分析
シナリオ分析の目的は、想定される気候変動がどのようなリスク/機会を生ずるか、どのような影響を当社グループに及ぼすかの把握、そして想定される未来における当社グループの持続的成長戦略のレジリエンスの確認、およびさらなる施策の必要性を検討することにあります。
当社グループは、平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するためにさまざまな施策が行われる世界を想定した1.5℃シナリオと、既存の政策・制度の運用に留まり気候変動が進行する世界を想定した4℃シナリオの2つを参照して、当社グループが特定したリスク4項目/機会2項目についてシナリオ分析を行いました。
カテゴリー | リスク/機会 | 事象・要因 | 財務影響度/発現可能性 | 対応策・アクション | 影響の増大時期 | ||
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1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | ||||||
移行リスク |
政策と法 市場 |
原材料コスト・エネルギー価格の上昇 |
・非化石由来・リサイクル原材料の需要増大 ・GHG(温室効果ガス)排出規制の強化によるサプライヤーにおける対策費用の増加 ・ナフサ生産量減少による原材料コスト増大 |
影響度3/可能性3 | 影響度2/可能性3 |
・処方の見直しや製品ラインナップ転換による高コスト原材料の削減 ・サプライヤーとの契約見直しを通じた原材料の安定調達 ・地産地消推進による輸送距離短縮を通じたエネルギー削減 |
中期 |
技術 市場 評判 |
パッケージ・印刷関連需要の減少 |
・市場のサーキュラーエコノミー志向の伸長 ・脱炭素社会への移行進展 ・包装業界における脱プラスチックの進展 |
影響度3/可能性3 | 影響度2/可能性2 |
・事業ポートフォリオの見直し ・製品の環境性能、低排出性の向上による優位性強化 ・製品へのCFP表示による付加価値アピール ・低炭素包装材料に対応した製品展開 |
短期 | |
政策と法 | 炭素価格のコストへの影響増大 |
・炭素税の導入 ・化石由来電力への炭素税賦課、原材料に対する炭素税価格の上乗せ ・排出権取引市場の活発化、排出権クレジットの希少化 |
影響度3/可能性3 | 影響度2/可能性3 |
・炭素税による原材料価格上昇分の製品価格への転嫁推進 ・製品処方改革による高炭素原材料の削減・排除 ・再生可能エネルギー由来電力への積極的な転換 ・直接排出の削減徹底による排出権購入の回避 |
短期 | |
物理リスク | 急性的 | 気象災害の激甚化に伴う事業機会の逸失 |
・気象災害によるサプライチェーン分断(生産拠点の操業停止、原材料・製品の輸送障害) ・気象災害による農地への悪影響に伴う、バイオマス原材料の供給遅滞・停止 |
影響度2/可能性2 | 影響度3/可能性3 |
・BCMによる災害対策の整備強化 ・同業他社も含めた国内外生産補完ネットワークの構築 ・原材料ソースや輸送手段の複数化 |
長期 |
機会 |
低排出製品の売上増大 |
・原材料(CO2由来原材料を含む)および生産時の排出量が低い製品の需要増大 ・お客様の省エネ・低排出・資源循環につながる製品の需要増大 ・消費者層のカーボンネガティブ素材への期待 |
影響度3/可能性3 | 影響度2/可能性3 |
・低排出原材料の優先的選択と確保 ・生産活動におけるCO2排出削減 ・LCA視点で低排出を考慮(使用時の加熱・前処理不要、易リサイクル性付与)した製品ラインナップの拡充 ・カーボンネガティブ素材の研究開発・製品化推進 |
短期 | |
猛暑対策、感染症対策素材などの事業機会の獲得 |
・慢性的な気温上昇に伴う生活環境における温度対策の需要増大 ・気候変動の影響による新興感染症の頻発 ・保管・使用において気温に起因する事故の発生リスクが少ない製品の需要拡大 |
影響度2/可能性3 | 影響度3/可能性3 |
・気候変動による生活環境悪化(暑熱)を対策する素材の研究開発・製品化推進 ・メディカル関連素材(創薬、投薬、医療機器、感染予防など)の研究開発・製品化推進 |
長期 |
財務影響度:3=影響が数十億円に及ぶ 2=影響が10億円程度 1=影響が10億円を下回る
発現可能性:3=既に発現しているか、将来ほぼ確実に発現する 2=発現の可能性が比較的高い 1=発現の可能性が低い
影響増大時期:短期=1年程度(年度計画の期間) 中期=3年程度(中期経営計画の期間) 長期=10年程度(asv2050/2030の中間目標年度=2030年度までの期間)
1.5℃シナリオ:IEA World Energy Outlook: Net Zero Emission by 2050 ScenarioおよびIPCC: SSP1-1.9を参照
4℃シナリオ:IEA World Energy Outlook: Stated Policy ScenarioおよびIPCC: SSP5-8.5を参照
分析対象範囲:当社グループ全体の既存事業、および現時点で想定している新規事業
- 炭素税による影響額
- 水リスクの高い地域での洪水発生時の損害額
- サステナビリティ貢献製品の「環境価値」製品群の使用によるCO2排出量削減
指標と目標
指標1. CO2排出量 リスクに対する指標
当社グループは、2010年度に「CO2削減プロジェクト」を発足して以来、国内・海外の生産拠点におけるCO2排出量削減に取り組んできました。
サステナビリティビジョンasv2050/2030では、当社グループの生産活動におけるCO2排出量について、「2050年までにカーボンニュートラルを達成する」と宣言しています。さらに、「2030年度までにCO2の国内排出量を2020年度比35%削減(50,000t-CO2)、海外排出量を2030年度BAU比35%削減(95,000t-CO2)」することを具体的な中間目標として掲げています。
これらを実現するために、エネルギー使用量の削減、エネルギーの低炭素化、電力の低炭素化の3つの方向性によって諸施策を講じています。生産拠点におけるコジェネレーションシステムの稼働運用が多い日本国内では、システムに使用する燃料の低炭素なものへの転換や、生産設備の電化を促進するなど、エネルギーの低炭素化を中心に推進していきます。一方、比較的生産設備の電化が進んでいる海外では、電力を再生可能エネルギー由来にするなど、電力の低炭素化を中心に推進していきます。
CO2排出量(国内)の推移と目標
方向性 | 主な施策 |
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エネルギー使用量の削減 | ・省エネルギー (工程中のエネルギーロスの排除) ・省エネルギー視点の生産プロセス改革 |
エネルギーの低炭素化 | ・生産設備の電化(直接排出の削減) ・LNG 代替燃料の活用に向けた準備・調査 |
電力の低炭素化 | ・低炭素電力の導入(間接排出の削減) ・再生可能エネルギー設備の導入 |
指標2. サステナビリティ貢献製品売上高比率 機会に対する指標
当社グループは、早くから製品の環境調和性の向上に取り組み、1990年代からさまざまな環境調和型製品を上市してきました。サステナビリティビジョンasv2050/2030では、これら環境調和型製品が提供する「環境価値」に加えて、人びとの暮らしの快適さ、健康・福祉、安全・安心などの「生活価値」にも領域を拡げ、社会の持続可能性向上に貢献する製品を「サステナビリティ貢献製品」と定義しています。当社グループのシナリオ分析において、気候関連の機会として「低排出製品の売上拡大」と「猛暑・感染症対策素材などの事業機会の獲得」を特定しており、サステナビリティ貢献製品にはこれらの機会に対応する製品・製品群が含まれます。
asv2050/2030では、これらサステナビリティ貢献製品のグループ全製品売上高に対する比率を当社グループの気候変動対応の指標の一つとして、2030年度までに国内・海外合わせて80%以上とすることを中間目標に掲げています。
※ 2023年度から、asv2050/2030に基づくサステナビリティ貢献製品に定義変更・集計範囲の拡大(海外を含む)を行っています。
2022年度までの値は旧来の環境調和型製品の売上高構成比率です。
提供価値 | 方向性 | キーワード | 取り組み・製品事例 |
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環境価値 環境と共存する |
脱炭素 | クリーンエネルギー、 新エネルギー エネルギー削減、 輸送のEV化 |
EV化加速に貢献する素材/技術の提案・先行開発( LiB材料、熱制御部材) |
使用時のCO2排出量削減に寄与(UV/EB化) 地球環境に優しい新たな発電システムの開発・素材の提案 |
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資源循環 | リデュース リユース リサイクル 代替素材 |
石化原材料比率の低減・置き換え(バイオマス、水性化) | |
製品構成の簡素化、紙への置き換え(生分解素材、機能性コーティング) | |||
プラスチック循環を支える材料・システム展開(水平リサイクル支援素材・システム) | |||
自然共生 | 環境調和・共生・浄化 環境負荷物質の低減 |
遮熱塗料、保温 土壌改良、排水浄化、再生可能エネルギー活用 |
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カーボンリサイクル | CCUS(CO2回収・有効活用・貯蓄)技術への挑戦、CO2由来原材料の活用 | ||
生活価値 快適・健やか・ |
メディカル・ ヘルスケア領域 |
予防・診断 | 疾病の早期発見・予防と罹患リスクの縮小につながる診断用材料・システムの開発 |
治療 | 先進治療・セルフケアに貢献する医薬品・医療用素材の開発 | ||
安全・安心 | 生体への影響のない、安全で安心な製品の提供(有害物質を含まない製品) | ||
通信・ エレクトロニクス・ デジタル領域 |
高速・大容量通信 | フォトニクス・高速大容量伝送・高速演算を支える次世代素材群の開発 | |
高度なセンシング | センサー社会・IoTでつながる社会の実現に向けたキー素材の提供 | ||
ビッグデータ | データ活用による便利な社会の実現につなげる技術への挑戦 |
サステナビリティ貢献製品の認定制度
当社グループの製品は、環境価値・生活価値の方向性や定義、GHG排出原単位などの具体的なサステナビリティ評価項目に従って審査されます。対象製品の評価が認定基準に達していれば、「サステナビリティ貢献製品」として認定されます。認定審査はサステナビリティ貢献製品認定事務局で行われ、サステナビリティ担当役員(委員長)が審査結果の承認および認定を行います。なお、市場や社会におけるサステナビリティ要件の変化に伴い、定期的に審査基準は見直されます。