コンプライアンス
基本的な考え方
artienceグループのコンプライアンス活動は、「社員一人ひとりがコンプライアンスを考えることが重要である」という考えのもと、日常業務を通してコンプライアンスに関する議論を重ねていくことにより、法令遵守に対する意識が着実に浸透している状態を目指しています。
2024年1月の社名変更と理念の変更に合わせてサステナビリティ関連方針・ガイドラインの再整理を進め、社会の変化も踏まえながら当社グループの姿勢や取り組みを明確にした内容に改定しました。従来、コンプライアンス活動の中で解説資料として用いてきた「ビジネス行動基準」は「倫理行動規範」として再編し改定しています。
「artienceグループ 倫理行動規範」(以下、「本規範」という)は、artienceグループ(以下、「当社グループ」という)の役員、顧問、社員、契約社員、パートタイマー、派遣社員ほか当社グループの業務に従事するすべての人(以下、総称して「役職員等」という)が、当社グループの求める、社会にとって相応しい一員であるために遵守すべき基本的な考え方や行動のあり方を示しています。当社グループは、あらゆる事業活動において本規範を遵守することを土台として、社会の持続可能性向上に貢献し、「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」という当社グループの理念の実現に努めます。
- 法令および社内規程等の遵守と国際規範の尊重
- 私たちは、事業活動を展開する国または地域において適用される法令や規制および本規範をはじめとする各種社内規程等を遵守するとともに、国際行動規範※を尊重します。
- 私たちは、高い理性と良心と倫理観に基づいて判断し、社会の信頼に適う誠実な行動を実践します。
- 私たちは、特定の国または地域において適用される法令等が、本規範や各種社内規程等と矛盾する場合、現地法令等に反しない範囲で国際行動規範を最大限に尊重するための方法を追求します。
- 国際行動規範:国際慣習法、一般的に受け入れられている国際法の原則、または普遍的に認められている条約や協定を含む政府間合意から導かれる、社会的に責任ある企業の行動に対する期待を指します。例えば、国際連合「世界人権宣言」や「グローバル・コンパクトの10原則」、「ビジネスと人権に関する指導原則」、「SDGs(持続可能な開発目標)」、国際労働機関(ILO)「国際労働基準」、「多国籍企業宣言」、OECD「多国籍企業行動指針」などがあります。
参照:【コンプライアンスに関する基本方針】,【リスクマネジメントに関する基本方針】,【内部統制システムの整備に関する基本方針】
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 1. 法令遵守・国際規範の尊重 - 人権の尊重
- 私たちは、当社グループのCorporate Philosophy(経営哲学)である「人間尊重の経営」に基づき、すべての人びとの人権を尊重します。人権を侵害しない、人権侵害に加担しないことはもちろん、人権侵害を助長するような状況を作らないよう努めます。
- 私たちは、当社グループのサプライチェーン全域において、児童労働および強制労働を認めません。また、債務労働や人身売買を含むいかなる形態の現代奴隷、非人道的な処遇、不当な労働慣行を許容しません。
- 私たちは、個人の尊厳と多様性を尊重し、それを否定しようとするあらゆる理由※による差別、差別につながる可能性のある行為、および法的もしくは社会通念上ハラスメントと定義される行為を行いません。
- 私たちは、事業活動を展開する国または地域の文化や慣習、あるいは宗教上の慣習を理解し、これらを尊重して行動します。
- 私たちは、人権侵害への加担やその可能性を排除すべく、いわゆる紛争鉱物や、人権侵害が懸念される農作物等、およびそれらに由来する原材料を調達・使用しません。
- 個人の尊厳と多様性を否定しようとするあらゆる理由:人種、肌の色、民族、国籍、出身地域、社会的出身、年齢、性別、性的指向、性自認と性表現、思想、信条、宗教、所属政党と政治的見解、障がいの有無、軍役経験の有無、労働組合への加入、雇用形態、学歴、婚姻歴、家族状況、健康状態や遺伝情報等が挙げられますが、これらに限定されません。
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 2-1. 強制労働の禁止、雇用の自由選択/2-2. 児童労働の禁止、若年労働者への配慮/2-5. 非人道的な処遇の禁止/2-6. 差別の禁止/5-9. 責任ある鉱物調達 - 腐敗行為※の禁止
- 私たちは、公務員、公務員の職務の代行者、ならびに公務に準ずる公益性・公共性を有する職務の従事者に対して、直接的・間接的を問わず、賄賂の申出・要求・約束・供与・受領の一切を行いません。
- 私たちは、贈収賄に当たらない場合であっても、お客様や取引先等との間で、社会通念上認められる範囲を超えるような過度の贈答や接待を行いません。
- 私たちは、違法あるいは不適切な政治献金を行いません。特に、当社グループとしての政治的中立性を堅持すべく、いかなる政党、政治団体または公職の候補者に対しても、会社の財産を政治献金として用いません。
- 私たちは、個人の利益と会社の利益が対立する状況において、企業の利益を損ね、個人的利益を享受するような利益相反行為※を行いません。
- 私たちは、当社グループおよび業務を通じて入手したお客様や取引先の非公開情報に基づくインサイダー取引を行いません。家族や第三者に対しても非公開情報の提供やインサイダー取引の勧誘を行いません。
- 腐敗行為:贈収賄、過度な贈答や接待、利益相反、リベートやキックバックの不正収受、不正な利益を得るためのファシリテーション・ペイメント、違法あるいは不適切な政治献金、談合や癒着などの競争阻害行為、取引先に不利益を与える優越的地位の濫用、強要、恐喝、横領、背任、詐欺、司法妨害、インサイダー取引、マネーロンダリング等を含みますが、これらに限定されません。
- 利益相反行為:例えば、競合他社のための労働行為、自己または第三者の利益のための競合製品・サービスの販売、就業時間中の会社と無関係な業務行為(公民権の行使等を除く)、役職員等と会社との取引行為等が挙げられます。
参照:【腐敗防止に関する方針】
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 5-1. 腐敗防止/5-2. 不適切な利益供与および受領の禁止 - 公正・健全な事業活動
- 私たちは、事業活動を展開する国または地域で適用される法令等や国際行動規範、事業慣行に則した公正・透明・自由な競争を行い、これらを阻害する行為を行いません。
- 私たちは、カルテルや入札談合、差別対価、不当廉売、不当高価購入等の不公正な取引およびその他の競争阻害行為を行いません。
- 私たちは、製品・サービスに関する広告宣伝やカタログ表示等において、事実と異なる表現、お客様や消費者に事実誤認させる表現、他者に対する誹謗中傷や権利侵害につながる表現を行いません。
- 私たちは、商取引における購入者や業務委託者という優越的地位を利用して、取引先に一方的な不利益を与える行為を行いません。法令等に従った契約に基づき、誠実かつ公平・公正な取引を行います。
- 私たちは、有形ならびに無形の会社資産※を適切に管理し、事業活動以外の目的には利用しません。特に、不正使用や私的流用等、会社の利益を損なうような目的には利用しません。
- 私たちは、財務報告、経理書類、研究報告、営業報告、費用勘定、出勤簿等、事業活動において管理・利用される文書やデータ等の情報に関して、不正または実体のない報告、改ざん、不正な操作を行いません。
- 有形ならびに無形の会社資産:有形の会社資産には、土地、建物、会社備品、設備、現金、有価証券等があります。無形の会社資産には、知的財産権、顧客・営業情報、技術情報、生産情報、ブランド力等があります。
参照:【コンプライアンスに関する基本方針】,【腐敗防止に関する方針】
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 5-6. 公正な事業活動/5-7. 優越的地位の濫用の禁止 - 適切な情報管理
- 私たちは、当社グループはもちろん、お客様や第三者から受領した重要な情報(秘密情報)を適正厳重に管理・保護します。他社の秘密情報を不正な手段で取得、使用しません。
- 私たちは、お客様や取引先を含む、他者の知的財産権を尊重し、侵害しないよう努めます。事業活動に際しては、他者の知的財産権の侵害を回避するための合理的な事前調査を行います。
- 私たちは、個人の人格を尊重し、事業活動を展開する国または地域の法令等に従って、すべての個人情報を適切に取得・使用・管理・保護します。
- 私たちは、日々の業務において情報セキュリティの観点に基づいた予防行動を徹底し、当社グループのみならずお客様や取引先にも被害が及ばないよう努めます。
- 私たちは、すべてのお客様に対して、製品・サービスに関する正確で誤解を与えない情報を提供します。特に、品質や安全性に対するリスクが想定される場合は、迅速かつ適切に情報を開示します。
参照:【情報セキュリティに関する基本方針】,【情報開示に関する方針(ディスクロージャーポリシー)】,【個人情報保護に関する方針(プライバシーポリシー)】
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 5-5. 知的財産権の保護/6-3. 正確な製品・サービス情報の提供/7. 情報セキュリティ - 反社会的勢力との訣別
- 私たちは、社会の秩序や安全に脅威を与え、健全な社会・経済活動を阻害する反社会的勢力および反社会的な活動との一切の関係を持ちません。
- 私たちは、反社会的勢力に対しては毅然とした態度で臨み、金品の提供や物品の購入等の取引、不当な要求には一切応じません。
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 5-3. 反社会的勢力への関与の禁止 - グローバルな化学企業の一員としての責務
- 私たちは、当社グループのすべての製商品等の取引が、国際的な平和と安全の維持を目的とする安全保障輸出管理関連法令に違反しないこと、および兵器開発等に使用されないことを確認します。
- 私たちは、安全保障輸出管理関連法令の規制への違反行為が、刑事・行政上の制裁に留まらず、会社の存立にも関わることを認識し、法令および社内規程等に則り適正な輸出管理を行います。
- 私たちは、当社グループの製商品および原材料に含まれる化学物質が、人の健康や環境に影響を及ぼすことがないよう、適切な化学物質管理を遂行します。
- 私たちは、原材料調達から廃棄に至るすべての過程において、化学物質の有害性と安全な取り扱いに関する情報を確保し、製品に携わる社員およびお客様に向けて適切に情報提供することに努めます。
参照:【環境に関する基本方針】,【化学物質管理に関する基本方針】
参照:【サステナブルサプライチェーンガイドライン】 4-3. 化学物質管理/10-3. 適切な輸出入管理 - 上場会社またはそのグループ会社の一員としての責務
- 私たちは、上場会社である当社の経営が株主による負託であることを再認識し、この負託に応えることに努め、当社グループのブランドおよび企業価値の向上を私たちの責務として、各々の職務を遂行します。
- 私たちは、株主、投資家をはじめステークホルダーに対して、当社および当社グループの経営に関する重要情報を、適時、適切、公平に開示します。
- 私たちは、株主平等の原則を遵守し、特定の株主に対する特別な利益を供与するなど、他の株主の利益に反する取引や行為を行いません。
参照:【会社情報の適時開示にかかるガイドライン】
本規範の改廃および管理について
本規範の改廃は、artience株式会社の取締役会が決定しこれを行います。
また、本規範の改廃事務等は、artienceグループの全社サステナビリティ活動を統括するサステナビリティ委員会の事務局が行います。
1998年10月 制定
2024年1月1日 改定(2023年12月8日取締役会にて決議)
2024年5月10日 部分的な修正(複数の条項について参考文書を追記)
artienceグループ(以下、「当社グループ」という)は、「社員一人ひとりがコンプライアンスを考えることが、企業としてのコンプライアンス活動にとって最重要である」との考えのもと、日常業務を通してコンプライアンスに関する議論や意見共有を積み重ねていくことによって、法令遵守・社会規範尊重に対する意識が着実に浸透している状態を目指しています。
この基本的な考え方に基づき、「コンプライアンスに関する基本方針」(以下、「本基本方針」という)を定め、これに則り、グローバルな事業活動におけるコンプライアンスの徹底を図ることで、当社グループの持続的成長とブランドの維持向上に資する企業基盤を形成します。
- 適用範囲
本基本方針は、当社グループを構成するすべての会社および組織に適用されます。同時に、当社グループの役員、顧問、社員、契約社員、パートタイマー、派遣社員ほか当社グループの業務に従事するすべての人(以下、総称して「役職員等」という)に対しても適用されます。さらに、当社グループのサプライチェーンを構成するすべてのサプライヤーおよびビジネスパートナーやその他の関係者に対しても、本基本方針への理解と支持を求めます。
- コンプライアンスの範囲
当社グループは、コンプライアンス経営の本質は、自身を取り巻くあらゆるステークホルダーに対して誠実に向き合うことにあると考えます。これに基づき、当社グループは事業活動を展開する国または地域で適用される法令等を遵守することに加え、以下の規範等を遵守・尊重します。
(1) 社内規範:当社グループ自身が定める経営理念、就業規則、社内規程・規則・方針・マニュアルなど
(2) 社会規範:国際行動規範および、一般社会において普遍的に認められている価値観(常識、道徳など)に基づくルールなど(成文化されていないものを含みます)
(3) 企業倫理:市場経済の倫理、健全な商取引における習慣や規律、誠実性と公正性を備えた職業倫理 - コンプライアンス違反行為の禁止
当社グループは、役職員等に対し、当社グループの事業活動を含むあらゆる企業行動において、組織的もしくは個人的なコンプライアンス違反行為を禁じます。また、これら違反行為の指示、教唆、勧誘を禁じます。
なお、役職員等は、コンプライアンスに関する知識がなかったこと、違反しようとする意思がなかったこと、当社グループの利益を図る目的だったことを理由に、これら違反行為を行ったことの責任を免れません。 - コンプライアンス体制の構築と運用
当社グループは、当社の取締役会および代表取締役社長が監督するサステナビリティ委員会の下位組織であるコンプライアンス部会を中心とした全社コンプライアンス体制を構築・運用し、全社コンプライアンス活動の企画・推進、社内啓発・教育、情報発信、経営における法令遵守と企業倫理確立を推進します。
- 内部通報窓口の設置と運用
当社グループは、コンプライアンス違反行為に関する相談または通報の適正な処理のしくみを定め、違反行為の発生抑止、早期発見および自浄作用の発揮による是正を促します。これを目的として、公正かつ適正な体制に基づく内部通報窓口を設置し運用します。
当社グループは、内部通報窓口に寄せられた相談または通報に関する調査活動を行う者に守秘義務を課すことで、内部通報窓口を利用した相談者や通報者および、相談または通報に関する調査活動への協力者(以下、総称して「通報者等」という)の匿名性を確保します。また、通報者等が相談・通報・協力したことを理由とする不当な人事考課や懲戒処分、配置転換などの不利益な扱い、および、ハラスメントや嫌がらせ、誹謗中傷など通報者等の職場環境を害する行為から、通報者等を保護します。 - 教育と浸透
当社グループは、本基本方針、「倫理行動規範」ならびにコンプライアンスに関連する諸方針・規程類、コンプライアンスに関する教育資料などを整備し、社内配布物やイントラネット等を通じて常時閲覧可能とすることで、当社グループ全体へのコンプライアンスの周知を図ります。
- 対処と罰則
当社グループは、コンプライアンス違反行為を行ったあるいは関与した役職員等が、当社グループが直接雇用する者である場合は、その役位や職位に関わらず、当社あるいは当社グループ各社の規程や就業規則等に従って、厳正かつ迅速に処罰します。当該の役職員等が、当社グループが直接雇用する以外の者である場合は、その者の雇用者と当社グループの間で締結された業務委託契約等に基づいて厳正に対処することを要請します。
- 改廃および管理
本基本方針の改廃は、artience株式会社の取締役会が決定しこれを行います。
また、本基本方針の改廃事務等を行う所轄部署は、artience株式会社のコンプライアンス活動を統括する部門とします。
2024年5月10日 制定(2024年5月10日取締役会にて決議)
推進体制
サステナビリティ委員会のコンプライアンス部会が主体となり、コンプライアンスに対する考え方の発信や、法令などの教育を全社的に行っています。また、各拠点のコンプライアンスリーダーが中心となって、日常業務に関わるコンプライアンスについて意識を高めるための機会を積極的に設けています。
内部通報制度
コンプライアンスに関する相談・通報窓口として、社内外にコンプライアンスオフィスを設置するとともに、「コンプライアンスオフィス運用規程」を定め、相談・通報窓口の公正かつ適正な運用を図っています。法令違反行為(贈賄などの腐敗行為、独占禁止法違反行為などを含む)および社内規程違反行為を中心に相談・通報の対象としています。窓口に寄せられた相談・通報に基づき事実関係を調査し、問題発生の懸念があれば、速やかに対策を講じています。また、相談・通報者の保護と秘密保持に最大限配慮しています。
なお、2023年度のコンプライアンスオフィスへの相談・通報に関して、重大なリスクにつながるものはありませんでした。
取り組み
2023年度のコンプライアンス活動方針
サステナビリティビジョンasv2050/2030の達成に向け、ベースとなる信頼された企業基盤を築くため、「時代を超えた不変の柱」である経営理念のもと、持続的かつ健全な成長に向けたガバナンスを強化するコンプライアンス施策を実施する。
- グループの健全な風土を醸成するコンプライアンス活動の先導
- 国内・海外法務リスク体制の整備強化&モニタリング
- 重大法務リスク防止に重点をおいたコンプライアンス教育
- 上期コンプライアンス拠点ミーティングの開催(3~6月)
- コンプライアンス強化月間の開催(10月)
- コンプライアンス教育
- 誠実な組織づくりを目的としたコンプライアンス監査
- 海外法務リスクへの対応