品質・安全性の確保
基本的な考え方
当社グループは、企画・研究開発から営業・アフターサービスまでの全段階で品質保証を確実に実行し、お客様に常に保証できる製品を提供しています。新製品・新事業開発の際は、自社規則にのっとり評価・検証を行い、製品化しています。
また、品質に関する国際規格「ISO 9001」を活用し、グループ全体での品質保証を充実・強化しています。
貼付剤などの医療分野では、医薬品の製造管理および品質管理に関する基準「GMP(Good Manufacturing Practice)」に基づいて生産しています。
artienceグループ(以下、「当社グループ」という)は、安全な製品・サービスの提供を通じて顧客の安心を実現すること、ならびに、安全・安心を意識した品質保証によって顧客の信頼を獲得することを目指しています。当社グループの持続的成長と社会の持続可能性向上に寄与するには、製品安全・品質保証活動の継続的かつ発展的な実行が必要であると考え、「製品安全・品質保証に関する基本方針」(以下、「本基本方針」という)を定め、高い水準で製品安全・品質保証活動に取り組みます。
- 適用範囲
本基本方針は、当社グループが顧客に提供するすべての製品・サービス(容器包装などの副資材、製品の付属品、第三者から製造の委託を受けた製品、第三者に製造を委託した製品、第三者から調達し顧客に提供する商品、試作品、サンプル品を含む。以下、総称して「製品等」という)に適用されます。また、製品等の企画・研究開発からアフターサービスまでのすべての段階における製品安全・品質保証活動に適用されます。
- 品質の定義
当社グループは、理念体系のBrand Promise(ブランドプロミス)において、「高い品質による信頼」という価値を提供することをステークホルダーの皆様に約束しています。ここでいう「品質」とは、顧客が要求する製品等の仕様、性状、特性、機能、性能だけでなく、製品等の取り扱いにおけるリスクの軽減解消につながる安全性や環境対応性なども含まれます。
- 品質保証体制
当社グループの事業各社は、自社の主管する製品等に関する製品安全・品質保証活動を推進するための組織を整備します。当該組織は、ISO 9001などの品質マネジメントに関する国際規格に適合した品質保証体制を構築し、その継続的改善に努めます。artience株式会社の製品安全・品質保証を統括する部門は、これら事業各社の当該組織を統括し、artience株式会社の品質保証担当役員を委員長とする「品質マネジメント委員会」を設置、運用します。この全社体制を通じて全社レベルの情報共有と施策展開を図り、当社グループとして適切な製品安全・品質保証活動を推進します。
- 正確な情報提供
製品等を顧客に提供する際は、当該製品等を主管する事業会社の製品安全・品質保証活動推進組織は、製品等の仕様や品質保証、取扱方法などに関する正確な情報を提供します。特に、製品等が化学物質である場合は、製品等を提供する国や地域における関連法令等ならびにGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に従って作成したSDS(安全データシート)および製品ラベルを提供・表示します。
- 問題が生じた際の対応
提供した製品等に起因する事故や不良品流通などの問題が発生した場合、当該製品等を主管する事業会社の製品安全・品質保証活動組織は、製造物責任(PL)に関する法令や納入仕様書等の記載内容、および社内ルールに基づき、適切な応急対策、原因の究明、再発防止などの活動を実施します。特に、製品等の品質や安全性のリスクが消費者などサプライチェーンの川下にまで影響を及ぼすと予見される場合は、リスク発現を最小化するための適切な情報開示と対応活動を実施します。
- 教育・啓発
事業各社の製品安全・品質保証活動組織は、自社が主管する製品等に関わる製品安全・品質保証について、企画・研究開発からアフターサービスまでの業務に従事する社員等に対して適切な教育・研修を継続的に実施します。これにより、事業各社の製品安全・品質保証の水準の維持向上に努めます。
- 改廃および管理
本基本方針の改廃は、artience株式会社の取締役会が決定しこれを行います。
また、本基本方針の改廃事務等を行う所轄部署は、artience株式会社の製品安全・品質保証を統括する部門とします。
2024年5月10日 制定(2024年5月10日取締役会にて決議)
推進体制
「品質マネジメント委員会」を中心に、当社グル-プ全生産拠点の品質保証体制の構築と品質保証レベル向上を目的に活動を行っています。半期ごとの品質マネジメント委員会では、国内外の全生産拠点における品質向上活動戦略の共有化を図っています。
また、お客様に当社グループ製品を安心してお使いいただけるように、artience(株)生産企画室が「品質リスク診断会」を開催し、第三者的な視点で各拠点の状況を確認し、品質不正を起こさない風土づくりを推進しています。
また、さらなる品質の安定化および品質リスクの低減に向けて、全世界どこでも同じ高品質な製品を供給できるようにするための品質標準「Global Standard for Quality」を構築し、全生産拠点への展開を進めています。
取り組み
製品情報の管理・提供
当社グループでは、製品のSDS(Safety Data Sheet:安全データシート)を社員による配布のほか、当社のお客様ポータルサイト「ソムリエ」からも提供しています。より迅速に製品情報を提供し、お客様をサポートする体制を構築しています。重大な製品事故が発生した場合は、速やかに報告するとともに拡大防止の体制を整備しています。
また、自社製品に加え、他社製品(販売商品)の販売も行っており、販売商品についても、お客様の安全に配慮した取り扱いや管理に努めています。
重大製品事故発生件数
(単位:件)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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重大製品事故件数 | 0 | 0 | 0 |
グローバルでの製品安全情報の提供と法令の遵守
当社グループでは、各国のお客様にグローバルな情報提供を行うため、輸出先の言語や法規に対応するSDS作成システムを搭載し、各国・地域の化学物質関連法規情報を一元管理することが可能な独自の「化学物質管理システム」を運用しています。国内外のグループ各社ではこのシステムの運用を進め、各国の法規に準拠したSDSを提供することでお客様のリスクアセスメントをサポートしています。さらに、ラベルにおいても各国法規で定められた記載事項に適正に対応するため、GHSガイドラインをグループ標準として国内外のグループ各社で運用しています。
海外拠点においても、化学物質名称などから各国法規制の該非などを確認できる検索ツールの活用を推進することで、化学物質関連法令遵守の強化を進めていきます。
当社グループでは、各国のお客様に製品安全に関するグローバルな情報提供を行うため、輸出先の言語や法規に対応するSDS(安全データシート)作成システムを搭載し、各国・地域の化学物質関連法規情報を一元管理できる独自の「化学物質管理システム」を運用しています。国内外のグループ各社ではこのシステムの運用を進め、各国の法規に準拠したSDSおよびGHSに準拠した「ラベルガイドライン」に従った製品ラベルを提供することで、お客様の製品安全リスクアセスメントをサポートしています。
2023年12月、従来の法規対応に加え、環境保全・回復と人びとの健康・安全・安心への配慮のさらなる強化を目的として、「化学物質管理システム」の仕様更新を実施しました。この仕様変更により、日本国内向けのSDSおよび製品ラベルにおける危険有害性情報等の表示のさらなる向上を図ります。
製品リスク情報への対応
当社グループは、製品リスクに対し、全社的な対応を迅速、適切に行うために、「製品リスク情報対応要領」を定めています。製品リスクへの対応は、artience(株)生産企画室などが、中核事業会社や関係会社と連携して品質保証活動として推進しています。