テクノロジープラットフォーム
当社グループの価値提供の土台となるのは、創業以来培ってきた5つのコア技術と、より具体的なソリューションである応用技術から構成されるテクノロジープラットフォームです。
これら複数の技術を掛け合わせることで、心豊かな未来と持続可能な社会の実現に向け、付加価値の高い製品、新事業の創出を目指した研究開発に取り組んでいます。
コア技術
分散
分散とは、1個あたりの大きさが数μm~数nmの微細な粒子(フィラー)を、液体や固体中(分散媒体)に均一にバラバラに分布させることです。当社グループは、フィラーや分散媒体に合わせて特殊な分散剤や分散樹脂(ポリマー)を設計し、目的に合わせた任意の粒子径の分散体を作製する技術を保有しています。さらに、成膜時にフィラーが理想的な状態となるよう分散度をコントロールしたり、粒子を極限まで細かく分散することで、フィラーがもつ機能を最大限引き出す様々な製品を展開しています。
分散の応用技術
コア技術
塗加工
基材に製膜するだけでなく、ポリマーを膜にするキャスティング技術、異物・欠点管理、膜厚のコントロール、パターニング塗工、ドライエッヂ加工、機能層の積層・多層化などが可能な精密塗加工技術を保有しています。当社グループが持つポリマー設計技術・分散技術に、塗加工技術を組み合わせることで、シートの機能を最大限に引き出します。粘着テープ製品を中心に、生活用品から先端エレクトロニクス材料、医薬品まで幅広く展開しています。
塗加工の応用技術
コア技術
ポリマー設計
当社グループ製品の多くに「モノマーを重合してポリマーにする」技術が使われています。分子量やガラス転移温度、分岐、官能基数などの一次構造のデザイン、さらに粒子状のポリマーであればその二次構造のデザインを行うことで、最終的にポリマーが膜を形成した時の性能(例えば、接着性、架橋密度、伸び、屈折率、誘電率など)を高いレベルで達成します。新しい合成法や加工法、解析法にも積極的に取り組み、様々なポリマー設計技術を駆使して社会課題やお客様のニーズに応えます。
ポリマー設計の応用技術
コア技術
色材設計
当社グループの原点の一つである有機顔料の合成技術を用いて、可視光だけでなく紫外・近赤外領域を含めた波長制御が可能な素材の開発を行っています。
さらに、ポリマー設計技術や分散技術、塗加工技術を組み合わせて材料の屈折率や膜構造を設計することで、光の透過、吸収、反射、拡散を任意に制御し、材料の耐久性向上やエネルギーの利用効率向上を可能とする技術に取り組んでいます。
色材設計の応用技術
コア技術
解析・MI
当社グループでは、開発課題や製品の品質トラブルに対して、様々な解析手法と豊富なノウハウを駆使し、迅速に原因を究明、短期間での課題解決を行っています。特に、多くの当社製品の機能発現の鍵となっているナノレベルの微細な構造制御に関しては、最新の設備と最適な条件で試料を処理する独自技術により、製品開発を強力に支援しています。
さらに、蓄積した実験データや論文データを解析し、素材探索や物性予測を行うことで製品開発のスピードを向上するデータ駆動型開発(マテリアルズ・インフォマティクス)や、自社素材や技術を活用したセンサデバイスおよびそのデータを起点とした新規サービスの開発に取り組んでいます。
解析・MIの応用技術
応用技術
カラーフィルタ用レジスト
高機能顔料の合成から最終的なカラーフィルタレジストインキまでを自社で一貫して開発・生産できる強みを活かし、FPD(フラットパネルディスプレイ)やイメージセンサー、マイクロディスプレイなど様々な用途に適応するカラーフィルタレジストインキをご提供しています。本製品は、印刷インキや塗料の開発で培ったナノレベルの分散技術を駆使し、顔料を微細化し均一に分散させることにより、良好な流動性(基板への塗布性)と高い透過性を有しています。また、ガラスだけでなくプラスチック基材等にも適用可能で、環境負荷低減に寄与する低温硬化タイプのカラーフィルタレジストインキもご提案しています。
応用技術
環境調和パッケージ
当社グループでは、これまで植物由来の原料を使用した「バイオマス」製品や有機溶剤の代わりに水を主成分とした「水性」製品、土壌中でバクテリアにより徐々に水と二酸化炭素に分解される樹脂を使用した「生分解性」製品など、インキや接着剤といった素材の形でパッケージ用途での環境調和型製品を提供してきました。
さらなる循環型社会の実現に向け、当社グループの剥離・脱墨技術を活用し、素材だけでなく自治体、企業、地域社会との連携・推進を目指す「マテリアルリサイクルシステム」の構築に取り組んでいます。