「分散」の応用技術 カラーフィルタ用レジスト
技術概要
カラーフィルタ用レジスト(以下、カラーレジスト) とは、ディスプレイなどのカラーフィルタに使用される色材をベースとしたインキのことです。色材(顔料・染料)に樹脂や感光剤、溶剤などが配合されており、ネガ型カラーレジストではUV光を照射することで照射部の塗膜が硬化し、現像工程を経て微細なパターンが形成できます。用途に応じて数十μmから1μm以下のサイズのパターニングが可能です。
また、カラーフィルタには、高い光の透過性が求められます。散乱光を低減するために、顔料をナノサイズに微細化し、それらを均一に分散させる技術が欠かせません。当社グループでは、顔料粒子の表面に特殊な加工を施すことで、超微細化した顔料が凝集せず、液中で均一に分散し安定化させることが可能です。
また、カラーフィルタには、高い光の透過性が求められます。散乱光を低減するために、顔料をナノサイズに微細化し、それらを均一に分散させる技術が欠かせません。当社グループでは、顔料粒子の表面に特殊な加工を施すことで、超微細化した顔料が凝集せず、液中で均一に分散し安定化させることが可能です。
製品事例
当社グループのカラーレジストは、FPD(フラットパネルディスプレイ)や、イメージセンサー、赤外(IR)センサーなど、様々な用途で使用されています。
FPD用カラーレジスト
モバイルから大型LCD(液晶ディスプレイ)まで様々な用途のFPDに対応しています。FPD用カラーフィルタには、高精細パターニング、高透過率化、高色域化のほか、塗工性・高速塗布性、精密フォトリソ設計が求められます。
高精細パターニング
デイスプレイが高解像度化し、画像の輪郭をはっきり・くっきりさせるために、微細なパターンを形成する技術が必要となります。
高透過率化、高色域化
画像をより明るく・鮮やかにするために、新規色材の開発に取り組んでいます。当社グループが開発したOPTLION ® GREENは、従来の色材と比較して550nm付近の透過率が向上するため、より明るい色彩表現が可能となります。
イメージセンサー用カラーレジスト
イメージセンサーとは、カメラレンズによって集められた入射光を電気信号に変換する半導体です。カラーフィルタは、イメージセンサーに入射した光の色を分解する機能を持ち、画像に色情報を与える重要部材です。当社グループでは、デジタルカメラやスマートフォンのカメラ機能などに使用されるイメージセンサー用カラーレジストを開発しています。
ディスプレイと比較して、1画素あたりのサイズが大幅に小さくなるので、さらなる高精細化に対応したパターニングの技術が必要となります。
ディスプレイと比較して、1画素あたりのサイズが大幅に小さくなるので、さらなる高精細化に対応したパターニングの技術が必要となります。
画素サイズの比較
近赤外(NIR)透過材料
全世界的に開発が進む自動運転・生体認証・監視カメラ等の用途で使用される、近赤外光(NIR)の透過材料を開発しています。近赤外領域の光に対して90%以上の高い透過率を有し、かつ可視光領域の透過率は1%以下までカット可能な材料です。
用途例
監視カメラ
赤外光で暗いところでも撮影可
車載カメラ
赤外光で距離センサーを実現
生体(虹彩)認証
赤外光で個人の虹彩を識別可能