リチウムイオン電池用材料
artienceグループでは、長年培ってきた独自の分散技術や導電制御技術を駆使し、リチウムイオン電池の特性向上・製品品質の安定化・プロセスコストダウンに取り組み、蓄電システムの普及に寄与することで、エネルギー問題の解決に貢献しています。
- リチウムイオン電池とは
- リチウムイオン電池の仕組み
- リチウムイオン電池正極材用CNT分散体LIOACCUM®
- 電池用バインダー LIOACCUM®シリーズ
- 耐黄変ドライラミネート接着剤
- 導電制御技術の活用
リチウムイオン電池とは
リチウムイオン電池とは、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池です。二次電池は、何度も繰り返し充電して使える電池のことで、これに対し乾電池のように使い捨てする電池を一次電池といいます。
リチウムイオン電池は、1990年代の初めに商品化されました。エネルギー密度が高い(より小型化できる)、劣化しにくく寿命が長いなどの利点があることから、スマートフォンやノートパソコン、電気自動車や人工衛星など、多くの機器類に採用されています。
リチウムイオン電池の仕組み
リチウムイオン電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電、放電を行います。リチウムイオンが正極から出て負極に入ると充電が、反対に負極から出て正極に入ると放電が行われます(図1)。
正極は、活物質、導電助剤、バインダーの3つが主材料として使用されています。このうち、活物質のまわりにある導電助剤が、電極中でどのような状態にあるかで、電子伝導性(電池の抵抗)が大きく変化します。
正極の主材料
- 活物質:リチウムイオンを取り込む/放出する役割をするもの
- 導電助剤:電子の伝導性を助けるためのもの。おもにカーボンブラックが使用される。
- バインダー:活物質や導電助剤を結びつける役割をするもの。一般的には、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)という樹脂が使用される。
リチウムイオン電池正極材用CNT分散体LIOACCUM®
トーヨーカラーはカーボン分散に強みを持ち、2015年よりリチウムイオン電池正極材用カーボン分散体を供給し、リチウムイオン電池材料メーカーとしての信頼と実績を積み重ねてまいりました。
当社が開発したリチウムイオン電池正極材用導電CNT分散体LIOACCUM®は、独自の分散技術を用いることで安定したCNT分散を可能にし、リチウムイオン電池の高容量化を実現することでEVの航続距離を伸長するほか、電池の安全性、小型化、充電スピード向上、耐久性向上といったリチウムイオン電池が抱える課題を解決いたします。
当社の高い技術力と、自動車の主要市場である、北米・欧州・中国・日本で、安定して調達・生産・供給が可能な4極5拠点生産体制を持つ唯一のCNT分散体メーカーであることを、ご評価いただいています。
特徴
リチウムイオン電池の正極材は、主に活物質と導電助剤、バインダーから成ります。導電助剤にカーボンブラックではなくCNT(カーボンナノチューブ)を用いることで、少量の導電助剤で導電性能を発揮することができます。
導電助剤としてCNTを使用することによる、リチウムイオン電池へのメリット
- 高容量:活物質の充填量増加によるリチウムイオン電池の高容量化
- 高出力:高い導電性によるリチウムイオン電池の高出力化
- 長寿命:活物質の均一な使用によるリチウムイオン電池の長寿命化
トーヨーカラーは、CNTメーカーとの協業により高性能CNTを開発し、さらに独自の添加剤と分散体製法を用いてCNTの分散性と導電性を飛躍的に高めることで、より少ない使用量でリチウムイオン電池正極の抵抗値を大幅に下げることに成功しました。これにより、リチウムイオン電池の導電材コストを低減するとともに、正極中の活物質増量を可能にすることで電池の高容量化を実現し、EVの航続距離の伸長や急速充電性能の向上を実現します。
LiB電極の内部構造
製造拠点
artienceグループは自動車の主要市場である北米・欧州・中国・日本で、安定して調達・生産・供給が可能な4極5拠点生産体制を持つ唯一のCNT分散体メーカーとしてのポジションを確立しています。
LiBの世界4大市場とartienceグループ拠点
電池用バインダー LIOACCUM®シリーズ
リチウムイオンバッテリー用の水系バインダーのほか、電極用・セパレーター用バインダーにも活用いただけます。電解液耐性、分散安定性、基材への密着性、耐熱性に優れ、ご要望により粒子径や樹脂の硬さ(Tg)のカスタマイズが可能です。
製品の詳細は以下のページをご覧ください。
耐黄変ドライラミネート接着剤
耐加水分解性・耐油性・耐黄変性において、ウレタン系接着剤と比較し優れた性能を発揮するアクリル系接着剤です。車載の電池周辺・耐熱/耐久性要求部材や電子デバイス関連にご使用いただけます。
製品の詳細は以下のページをご覧ください。
導電制御技術の活用
リチウムイオン電池用材料で駆使している当社の導電制御技術は、薄膜で低抵抗が得られる導電性銀ペーストや、半導体用の接合材料など、その他の製品でも活用されています。
炭素素材技術や炭素複合素材技術により、さまざまな蓄電デバイスや電子デバイスの高機能化に貢献してまいります。