「色材設計」の応用技術 光学制御
技術概要
テレビやスマートフォン等の表示デバイスでの高演色の色再現、視認性向上には、材料が持つ光の透過、吸収、反射、散乱を制御することが重要です。「紫外から近赤外領域で必要な波長を選択的に取り出す」「屈折率を制御する」といった光学制御技術は、光学特性に加えて堅牢な耐性が必要です。当社グループでは色素骨格の設計はもちろん、組成物設計、膜構造設計も組み合わせ、各種耐性の強靭な光学制御材料の提供をしています。
波長制御
光エネルギーの利用効率制御、光学センサーの感度向上などには、必要な波長のみを選択的に利用する技術が欠かせません。当社グループでは、一定の波長を吸収する独自材料を組み合わせることで、目的の波長領域を選択的に透過、遮蔽することを可能にしています。
屈折率制御
光は屈折率の異なる界面で反射・屈折を起こします。照明における光取り出し効率向上、ディスプレイでの映り込み防止などには、光の進む方向を制御することが大切です。当社グループでは、各種屈折率の異なる微粒子を選択し、独自の樹脂材料を用いて数十nm程度まで微細分散することにより、目的の屈折率を有する塗料、塗膜の提供を可能にしています。
製品事例
高耐性ブルーライトカット剤
ブルーライト(380~430nm程度の光)は非常に強いエネルギーのため目に有害であり、また、素材や内容物の劣化も引き起こします。当社グループのブルーライトカット剤は、一般的な紫外線吸収剤と比較して、少ない添加量で効率的にブルーライトをカットします。
近赤外(NIR)透過材料
監視カメラや車載用センサーに搭載されるフィルタでは、ノイズ低減のため、可視光による影響をできる限りカットし、近赤外光をよく透過する必要があります。当社グループでは、独自の材料設計により、可視光領域はカットし、赤外領域(780nm以上の光)を通す材料を提供しています。
低反射ブラックインキ
各種光学カメラ/センサーでは、必要な信号を的確に届けることが重要です。当社グループの低反射ブラックインキは一般的な製品に比べ、圧倒的な低反射性(0.5%以下)を有しています。この低反射性能によりカメラ/センサー内での余分な信号をコントロールすることができます。
低反射ブラックインキの波長
低反射ブラックインキの比較