Technology 03

ポリマー設計技術で、
超能力を使える世界へ

artienceのポリマー設計技術は、不可能を可能にする技術。
求められる性能を自在に生み出すことで、課題解決に役立っています。

どんな技術?

ポリマー(樹脂)の性能を決めるのは、モノマーと呼ばれる小さな分子の組み合わせ方。もっと強度を高めたい、熱に強くしたいなど、多様なニーズに応えるための最適なポリマーをつくり出すのが、ポリマー設計技術です。

ポリマーとは

ポリマーのポリは「たくさん」という意味。例えば、レジ袋などで使われるポリエチレンは、エチレンというモノマーをたくさんつなぎ合わせたポリマーです。

モノマー
ポリマー

どんな用途に?

CASE 01 高速通信 通信の超高速化を支えるポリマー設計技術

リアルな仮想空間や自動運転など、夢のような社会の実現には高速通信が欠かせません。私たちは5GやBeyond 5Gなど高速通信の進化をポリマー設計技術で支えています。

高速通信の遅延などを引き起こす伝送ロス

高周波数帯を使用する5Gは、高速で大容量のデータを送信できる一方、基板などを通る過程でエネルギーが失われやすいという課題があります。こうした伝送ロスにより、通信の遅延や品質の低下が発生し、画像が乱れたり途切れたりしてしまいます。

伝送ロスが大きい / 伝送ロスが小さい

熱に強く、高耐久の低誘電ポリマーで安定した高速通信を実現

5Gなど高周波の電波の伝送ロスを減らすためには、基板などに低誘電の素材を使う必要があります。そのため私たちは、基板やウェアラブル端末に活用でき、安定した高速通信を実現する低誘電ポリマーを開発しました。さらに使用環境も考慮し、低誘電でありながら耐熱性や高耐久などの特性も付加しています。

層間絶縁層やソルダーレジストなどの電子基板の各部位、ウェアラブル端末

CASE 02 構造用接着剤 高機能接着剤で、軽量化や製造プロセスの効率化をサポート

自動車の製造では、軽量化やプロセス効率化のため、ボルトや溶接で部品同士をつなげるのではなく、接着剤を使用するニーズが高まっています。私たちが開発した構造用の特殊な接着剤は、樹脂やアルミなどの異なる素材をくっつけることができ、自動車車体やEVバッテリーケースなどの各種部品に使用可能。さらに耐熱性にも優れているので、エンジンやモーター周辺部品などの過酷な環境でも使用できます。

CASE 03 塗装代替 色の膜で包み込むことで、塗装より環境にやさしく

私たちは環境負荷を軽減するために、塗装代替材料の開発に注力しています。色を塗るのではなく、色の膜で包み込むことで、従来の塗装工程に比べ、製造時間やエネルギーコストを大幅に削減することが可能です。使用環境が過酷で高い意匠性が求められる自動車のボディや内装も、塗装したように鮮やかに仕上げ、美しさを持続させます。

CASE 04 バイオ/メディカル バイオ、メディカルの可能性を広げるポリマーを開発

病気の早期診断や検出精度の向上など、独自のポリマー設計技術でさまざまな側面から医療をサポートしています。

特定物質に作用するポリマーで、バイオ技術の進化に貢献

病気を見つけるための検査をもっと正確で速く、安定したものにするために、体外診断薬用のポリマーを開発しています。たとえばブロッキング剤として使用する場合は、検査キットの基材に塗布したり試薬に添加したりすることで、不要な物質が付くのを防ぎ、より精度の高い検査が可能に。また、増感剤として使用する場合は、検体液に添加することで低い濃度でも抗原の検出が可能になり、早期診断や検出精度向上が期待できます。これにより、医療分野における課題の解決に貢献します。

服薬が簡単な貼付剤で、患者さんの選択肢が広がるように

ポリマー設計技術は、貼付剤とも呼ばれる「経皮吸収型製剤(TDDS製剤)」の開発にも活かされています。貼付剤といえば、腰痛などの消炎鎮痛剤が有名ですが、私たちが注力するのは、狭心症など病気の原因が身体の内部に起因する疾患の治療薬です。高齢者や小さなお子さんなどの薬を飲むことが困難な人でも、簡単に服薬が可能な貼付剤を提供します。