artienceの強み|統合レポート2024 価値創造の源泉となる「個」を活かす人材戦略

2024年6月28日 公開

本ページはAIを用いて翻訳しています。

artienceのすべての活動の中心には「人」がいます。「個(社員)があって全体(会社)がある」という考えのもと、社員のチャレンジを応援する人材マネジメントで、「人間尊重の経営」実現を支えます。
執行役員 グループ人事部長 関野 純二
執行役員 グループ人事部長
関野 純二

「個」の感性を重視し、チャレンジを応援する人材マネジメント

当社は、社名変更に合わせて理念体系を刷新する中、「人間尊重の経営」というCorporate Philosophy(経営哲学)を唯一不変のものとして残しました。人事の立場からは、このCorporate Philosophyを「社員一人ひとりの力を最大限に発揮していくこと」と捉えています。「人」をすべての企業活動の中核に据え、そこを起点に事業を成長させていくのがartienceという会社です。

今、人事として追求すべきは、Brand Promiseに掲げた「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」を体現する人材づくりだと考えています。性能や価格では測れない非定量的な価値が重視され、ニーズが多様化する中で、消費者や市場の潜在ニーズを捉え、製品づくりに反映していくことが求められています。これには、社員一人ひとりがアンテナを張り巡らせることが欠かせません。新理念体系のもとで、「個」の感性に重きを置く理由もそこにあります。
これまではお客様のニーズに対応するという、待ち受け型の姿勢が多く見られましたが、自らが率先して課題を見つけ提案することを奨励するため、チャレンジを評価する仕組みの整備を進めています。日々の職務において、自分らしいチャレンジを構想し、実行に移し、結果を出す。その各段階を評価に反映することで、社員の努力と成果に報いていきます。2025年度よりこの新たな評価制度を導入することを目指しています。
これに先行して、幹部社員向けの人事制度をすでに2024年1月に改定し、ジョブ型の処遇や業績連動の評価を取り入れました。また、執行役員や顧問についても役割を見直し、大幅に人数を減らしながら、次世代へとバトンを渡していきます。

育成・確保の両面から、人的資本への投資を積極化

人材マネジメントの基本的な考え方は、2015年に策定した「人材マネジメントの3つの柱」を踏襲しつつ、中期経営計画artience2027においては、人材を「資源」から「資本」へと再定義し、人材育成・人材確保への投資を強めていきます。

人材マネジメントの3つの柱(2015年策定、2024年1月改定)

多様な人材が活躍できる風土の醸成

多様な背景を持った社員の人権と多様な価値観・考え・発想が尊重され、存分に職務に取り組むことで新たな価値を世界に提供できるとの考えのもと、多様な人材が活躍できる企業風土を整えます。

主体的なキャリアを歩めるしくみの構築

成長志向を持って自身のキャリアを思い描ける人材を雇用し、キャリア形成に向けた実践と成長の機会を継続的に提供することは企業の責務であるとの考えのもと、育成のしくみを構築・運用します。

安心して働ける職場環境づくり

社員が安心して働き、能力を最大限に発揮するには、職場の安全衛生、労務管理と評価、社員の健康と福利厚生が不可欠であるとの考えのもと、職場環境を整備し、継続的に改善していきます。

人材育成では、これまで階層別の教育に力点を置いてきましたが、今後は次世代の経営者育成や、IT・DXなど専門スキルの養成、新たな事業創造などを含めた、総合的な教育体系を整備していきます。社名変更に伴い、2007年度より全社規模で運用してきた研修・教育システム「東洋インキ専門学校」を「artience growth field」へと改称しました。この名は、広いフィールドを自由に駆けめぐり成長していく社員の姿をイメージしたものです。従来の社内的なスキル習得を超え、「どこでも活躍できる人材」となるよう社員の成長を支援するのは、それが新たな価値創造の源泉となり、結果として会社と社員のWIN-WINの関係を生み出すと信じるからです。

artience growth field(全社研修・教育システム)

かつて日本企業は、新卒入社した男性社員を人材の中心に考える傾向が強くありましたが、私たちが「感性に響く価値」の創出を目指すうえで、多様化の促進は不可欠です。経験者採用を増やし、外部で知見を培った人材も積極的に獲得していきます。また、長年当社で課題となってきた社員の男女比率も、2024年度採用では女性が41.5%となり、女性活躍推進のベースを整えつつあります。2030年度までに女性管理職比率10%の目標達成に向け、取り組みを強化していきます。

人材戦略の核となる社員エンゲージメントの向上

社内への情報発信という視点も重要です。定着率が高く、長く働き続ける社員が多い、というのは当社が誇るべき点でありながらも、それが結果として「言わなくても分かっているはず」といった社内でしか通用しない暗黙の理解を生み出してきた側面もあります。中途採用を増やし、社員の海外比率も高まる中、この状況をなおざりにしておくことはできません。現在は、新たな理念体系をグループ全体に浸透させていくためのワークショップ開催などを計画しています。
また、社員のエンゲージメント向上は常に人材戦略の核となります。処遇や職場環境、やりがい、理念の浸透など多岐にわたるテーマを実行しつつ、全社的なエンゲージメントサーベイの実施も積極的に検討していきます。適切な賃上げもエンゲージメントに直結するものとして欠かせません。社員がキャリアパスをより主体的に選択できるよう、人材配置・異動のあり方も見直していく必要があります。グループ各社との連携や協力体制構築も重要です。

経営者も社員も、会社を発展させたい、自身も成長したいという気持ちは同じです。目指すところは重なり合いながらも、ときには異なるニーズを持った両者をつなぎ、それぞれと信頼関係を築いて調整していくのが、私たち人事の役割です。「人間尊重の経営」のもと、成果にこだわる厳しさを持ちながらも、魅力ある活気と規律のある組織・風土を目指し、当社の描く人材マネジメント、人的資本経営に着実に取り組んでいきます。

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