中期経営計画artience2027|統合レポート2024 財務戦略
2024年6月28日 公開
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それを財務面から支えるため、ROICやフリーキャッシュフロー、CCCといった指標を取り入れ、資本効率とキャッシュフローの最大化を目指していきます。
前中計の財務的な成果と課題
前中計(2021~2023年度)の期間中はコロナ禍の影響で、各地で工場の操業が困難になったほか、サプライチェーンの混乱で原材料を入手できないなどの問題に直面し、手元流動性のポジションを200億円増やしました。メーカーとしての供給責任を果たすために在庫を確実に確保することや、サプライヤーや社員への支払いが滞らないように、不測の事態に備えるために必要な措置でした。ただ、コロナ禍の影響が解消した前期末でも在庫水準が高止まりしていることは課題として残っています。
一方で、バランスシートの改善に取り組み、前中計期間に131億円の保有株式の売却を実行しました。それに伴い、自己株式を107億円強取得し、株主還元を通じた資本の圧縮にも着手しました。また、将来の金利上昇に備え、社債の発行や政府系金融機関からの調達など、調達ソースを拡大できたのは成果でした。
PBR1.0倍達成に向けて
事業ポートフォリオ変革 |
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資本効率の向上 |
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資本政策 |
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資本コスト低減の取り組み |
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リスクをヘッジしながら重点事業へ積極投資
今中計の300億円の投資については、財務リスクをどうヘッジするかが大きな課題でしたが、日本政策投資銀行様からサポートを得て、同事業が生み出すキャッシュフローの範囲に応じて返済するスキームで資金調達することができました。万一事業上のリスクが顕在化した場合でも、グループ全体の財務の健全性を保つことができると考えています。このように、リスクヘッジをしながら、積極的に重点事業に対する投資を行い、キャッシュフローの最大化を図っていきます。
キャッシュアロケーション
ROICを取り入れた資本効率向上
中計で掲げる資本効率の最大化に向けては、ROICやフリーキャッシュフローといった指標を取り入れ、全社的に資本効率に対する意識を高めていきます。投資においては事業ごとのROICを見極めながら、効率的な資源投入を行っていきたいと考えています。
現在、グループ全体に効率性をしっかり認識してもらうための活動を始めています。資本効率性指標を導入・浸透させるためのタスクフォースを立ち上げ、事業活動へ展開させていく活動を始めました。
また、フリーキャッシュフローやCCCの管理については、年間の目標値を定め、月次で管理していく取り組みもすでにスタートしました。
バランスシート改革と株主還元
前中計では131億円の保有株式の売却や遊休不動産の処分を進めるとともに、3年間の総還元性向で90%近い株主還元を実施してきました。他方、保有株式の株価上昇や円安による為替換算調整勘定の増加により純資産が膨らんでしまいました。今中計の3年間においても100億円以上の保有株式の売却を進め、資産の圧縮を図る計画にしています。
株主還元については、総還元性向50%という方針を中計で掲げています。得られたキャッシュの少なくとも半分は株主に還元し、残りの半分を成長投資に使っていく考えです。
グループ財務部長としての使命と役割
中長期で企業価値を上げるために、事業を成長させていくことが大前提です。そのベクトルは、社内の関係者も外部のステークホルダーも同じだと思います。ただ、時間軸や成長と還元のバランスなどは、立場によって違いが出てきます。中計で方針を出して、IRなどを通じて社外の方には説明をして共感していただき、社内では予算や目標に落とし込んで、コントロールしていく。そのための仕組みづくりや予算編成、進捗管理をするのが私の役割であると思っています。
資本効率を高めるためにROIC やフリーキャッシュフロー、CCCといった指標を使いながらキャッシュフローを最大化し、株主還元と成長投資に充てていく。その好循環をつくることが私の使命です。また、永続的に会社を発展させるために、強固な財務基盤の維持も必要です。財務格付けでA格を維持していくことは必須だと思っています。