ナノ粒子加工技術のヘルスケア・農業分野への活用
ナノ粒子加工技術とは
東洋ビジュアルソリューションズでは、液晶ディスプレイなどに用いられるカラーフィルタ用の有機顔料(結晶性粒子)の開発を通じて、粒子微細化技術をコア技術として保有しております。
当社の顔料加工技術の一つである湿式摩砕粉砕処理は、従来のボールミルなどと比べて、より強力に粒子を微細化できます。湿式摩砕粉砕法とは、顔料粒子・摩砕剤・水溶性溶媒を混合混錬し、水洗濾過により摩砕剤、溶媒を除去する手法です。
当社が培ってきた豊富な経験と手法で、結晶性を保持したままナノレベルでの微細化をすることも可能です。
この技術は健康食品・医薬・農薬・化粧品など様々な分野の水に溶けにくい有効成分に適用できると考え、研究を続けています。
溶解性にお悩みの製品をお持ちの場合、試作品の検討も可能ですので、下記フォームよりお問い合わせください。
形態 | 溶解性 | 徐放性 | 安定性 |
---|---|---|---|
原末 | × | 〇 | 〇 |
非結晶ナノ粒子 | 〇 | × | × |
結晶性ナノ粒子(当社開発品) | 〇 | 〇 | 〇 |
日本食品工学会・要旨「湿式粉砕処理したシリビンの微粒化に伴う溶解性ならびに吸収性向上」
日本プロセス化学会・要旨「難水溶性医薬成分粒子の微細化と溶解性向上」
取り組み事例
難水溶性ポリフェノールへの水溶解性・吸収性付与に成功
近年、健康意識の高まりに伴い、健康食品・サプリメントのニーズが拡大しています。なかでもポリフェノールは、抗酸化作用があり、細胞の酸化ストレスを軽減することで、様々な病気や老化の予防に効果があるとされています。しかし、ポリフェノールのなかには、水への溶解性が低く、吸収性に課題があるものも存在します。
そこで、東洋ビジュアルソリューションズではカラーフィルタ用の有機色材の粒子加工技術を活用し、ポリフェノール粒子をナノサイズまで微細化して比表面積を増加させ、水溶解性および吸収性を向上させる製品の開発に取り組んでいます。
この研究により、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールの100 nm以下までの微細化が可能となり、水への溶解性・吸収性が原末と比較して約2倍程度まで向上することが確認されました。当社が開発する結晶性ナノ粒子は、従来の原末における溶解性や、非結晶ナノ粒子における徐放性の課題を改善する手法として期待されています。
お問い合わせ
東洋ビジュアルソリューションズ株式会社
TEL:03-3272-0714