Technology 01

分散技術で、
100km先の未来へ

artienceは、長年にわたって磨き上げてきた分散技術をさまざまな分野へ展開し、
新たなソリューションを提供しています。

どんな技術?

分散技術は、固まった粒子をほぐし、液体中や固体中にバラバラに分布させる技術です。分散をコントロールすることで、粒子のポテンシャルを最大限に引き出し、狙った性能を発揮できるようにします。

凝集状態:粒子同士が引き合う力でくっついて大きな塊に -> 分散状態:粒子をバラバラに分散させ、その特性を引き出す

どんな用途に?

CASE 01 リチウムイオン電池 リチウムイオン電池の進化を支える分散技術

電気自動車(EV)などに使用されるリチウムイオン電池。その性能向上にも、私たちの高度な分散技術が役立っています。

電池の性能アップに期待される「CNT」とは?

リチウムイオン電池は、リチウムイオンや電子の移動で放電・充電しています。電子の移動を助ける素材が、導電助剤。導電助剤の材料は、従来「カーボンブラック」が一般的でしたが、より導電性能等に優れた新素材「カーボンナノチューブ(CNT)」が注目されるようになりました。

カーボンナノチューブとは

髪の毛の5万分の1ほどの太さの炭素物質。ダイヤモンドと同等の強度で導電性や熱伝導性に優れています。

カーボンナノチューブのイメージ

CNTの理想的な分散に成功

非常に高い性能をもつCNTですが、カーボンブラックとは異なり繊維状であるため、互いに絡みやすくて分散が難しく、優れた特性を生かしづらいという課題がありました。しかし独自の分散技術により、絡み合ったCNTを適切な長さを保ったまま丁寧にほぐし、理想の分散状態を保つことに成功しました。

活物質 / バインダー / 導電助剤

CNT分散体で電池の高容量化を実現

CNTの最適な分散により、最小限のCNTで最大限の効果を発揮できる分散体を開発。活物質を増量できるようになり、リチウムイオン電池の高容量化を実現。EVの航続距離が伸び、急速充電の性能向上にもつながっています。

CASE 02 パワー半導体 熱を効率よく逃がす分散技術で電子機器の進化を加速

電子機器の小型化、高性能化が進み、それにともない、ICチップの発熱によるダメージや機能低下を抑制するニーズが高まっています。そこで私たちは、ICチップで発生した熱を効率的に冷却器に逃がす放熱シートを開発しました。

半導体パッケージ断面 イメージ

熱を逃がすには熱の通り道を作ることが必要です。私たちは熱を伝える粒子をあえて偏在させることで、効率よくこれを実現しました。優れた分散技術とポリマー設計技術を組み合わせ、熱を伝える粒子の充填率を高めて熱伝導効率を上げながら、シートの柔軟性や接着性も向上させています。

CASE 03 レンズ/ディスプレイ 光をコントロールする分散技術でより見やすく、美しく

スマートフォンやタブレット、カメラレンズなど。より見やすく、美しい次世代の電子機器や光学デバイスの開発に欠かせないのが光学制御技術です。私たちは、遮光や反射、拡散など、それぞれの目的にあわせた粒子を均一に分散させ、ペースト状の材料として提供することで、多岐にわたる課題解決に貢献しています。

CASE 04 エレクトロニクス製品 分散×コーティングで、フィルムを高機能化

エレクトロニクスの分野でも広く使われるプラスチックフィルム。帯電防止や屈折率制御など、さまざまな特性をもつ粒子をコーティング剤に分散させ、プラスチックフィルムを高機能化することで、エレクトロニクス製品の多様化、高性能化を支えています。