製品・ソリューション

スクリーンインキとは

スクリーン印刷で印刷されたパッケージ
私たちの身のまわりでは、さまざまなものに印刷が施されています。そのなかには、凹凸や曲面など、一般的な印刷では印刷が難しいものも多くあります。
スクリーン印刷は、ポスターやPOPなどの商業製品、衣類や陶磁器などの生活用品、ネームプレートやプリント回路などの工業製品など、他の印刷法では印刷困難で、特に美粧性や機能性が必要な用途に広く使われています。

スクリーンインキ(解説書)

紫外線(UV)硬化スクリーンインキ(解説書)

スクリーン印刷の特徴

スクリーンインキは、スクリーン印刷に使われるインキのことです。
スクリーン印刷には、他の印刷法と比べ、以下のような特徴があります。

特徴① 美粧性や機能性に優れる

スクリーンインキは、比較的粘度が高く、インキの塗布量が非常に多くなるため、印刷物の表面に厚いインキ膜が形成できます。この厚みをコントロールすることで、色彩が鮮明で重量感に優れた印刷が可能です。

特徴② 他の印刷法では印刷困難な、さまざまな素材・形状のものに印刷できる

スクリーン印刷は、弾力のある版を使用する、あらゆる乾燥方式を応用できる、という特徴があります。
こうした特徴により、スクリーン印刷では、凹凸や曲面、硬い面など、さまざまな形状のものに印刷が可能になります。また、乾燥方式によっては、耐熱性・耐摩擦性・耐薬品性など、高度な皮膜性能が確保できます。

インキの代表的な乾燥方式

  • 蒸発乾燥型:インキが溶剤の蒸発によって定着するもの
  • 酸化重合型:インキが酸化によって定着するもの
  • 2液反応型:インキが化学反応によって定着するもの
  • 紫外線硬化型:インキが紫外線照射により化学反応を起こし定着するもの
印刷方式ごとの適用可能な乾燥方式
印刷方式/乾燥方式 蒸発乾燥型 酸化重合型 2液反応型 紫外線硬化型
グラビア
フレキソ
スクリーン
ドライオフセット
オフセット

特徴③ 製版・印刷方式が簡単で、必要な設備や経費が少ない

スクリーン印刷は、枠とスクイジーがあれば印刷が可能です。大掛かりな設備が必要ないため、経費も少なく済みます。
また、小さな面積のものから、大きな面積のものまで対応が可能です。

UVスクリーン印刷の特徴

UVスクリーン印刷は、紫外線(UV)を乾燥エネルギーとして使用するスクリーン印刷の方法です。
無溶剤インキであることや、乾燥時間の短縮が可能となることから、近年環境に配慮したインキとして注目されています。
UVスクリーン印刷には、以下のような特徴があります。

  • 乾燥時間の短縮:通常数秒~数十秒で硬化するため、乾燥設備の縮小化が可能です。
  • 印刷安定性の向上:UVインキは揮発性の有機溶剤を含まず、UV光が当たらない限りその組成は変化しません。そのため、版上での粘度の変化、目詰まり等がなく一定の印刷条件を設定すれば、均質な印刷効果を長時間安定して得ることができます。印刷停止時でも、版の洗浄不要で印刷再開でき、インキのロスも少なくなります。
  • 印刷作業環境の改善:有機溶剤を含まないため、溶剤蒸気排出のための大きな排気装置は必要ありません。また、火災の危険性も大幅に低減できます。
  • 皮膜物性に優れる:溶剤に溶けない皮膜であるため、耐熱、耐ブロッキング、耐摩擦、耐薬品性等の物性に優れています。

スクリーンインキの用途

スクリーン印刷は、他の印刷法では印刷困難なものを中心に広く使われており、美粧性や機能性が必要な用途にも展開されています。

  • 商業製品
    紙器、書籍表紙、ポスター、看板、POP、ディスプレイ、旗、標識など
  • 生活用品
    化粧品容器、玩具、文房具、カバン、Tシャツ、漆器、陶磁器、ガラス器、シールなど
  • 工業用品
    ネームプレート、計器の目盛り類、プリント回路、厚膜IC、液晶ディスプレイ、スマートフォンなど

当社製品の特長

当社は、スクリーン印刷の特徴を活かした、高機能、高意匠を実現するスクリーンインキを取り揃えています。
特に、エレクトロニクス関連用途や機能性インキの開発に注力するとともに、有機溶剤を含まないUVスクリーンインキや植物由来の資源を原料の一部に使用したバイオマスインキ等、環境に配慮した製品開発を推進しています。

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東洋インキ株式会社 マーケティング本部

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