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電磁波シールドとは

電磁波とは?

電磁波のイメージ
電磁波は、電界と磁界の2成分からなる波です。一般的に、波とは振動が伝わっていく現象を指しますが、電磁波の場合は、電場と磁場が交互に振動しながら空間を伝わります。放射源から十分に離れた地点では、進行方向に対して垂直な面内に電場と磁場が振動しており、電場と磁場の振動方向は互いに垂直になっています。 電磁波の単位面積あたりの強度は、電界強度はV/m、磁界の磁気強度はmGで表すのが一般的です。

電磁波シールドの原理

電磁波シールドの原理は、電磁波の反射・吸収・多重反射によって電磁波エネルギーを滅衰させるものです。電磁波を減衰させることにより、人体への危険性や精密機器への影響が回避されます。
また周波数にもよりますが、電磁波は光と同じく直進と回折を行います。シールド材料を設ける際には、回り込みによる電磁波の到達に留意します。

反射損失

電磁波シールドの原理 反射損失
シールド材表面と、空気との境界面で発生する損失です。シールドの厚さには関係なく、シールド材の導電性に影響されます。

吸収損失

電磁波シールドの原理 吸収損失
シールド材内部を通過する時に発生する過電流による損失です。シールド材の厚さ、透磁率、導電性に影響されます。

多重反射損失

電磁波シールドの原理 多重反射損失
シールド材料の内部で、繰り返し反射を発生させる場合の損失です。

電磁波シールドの測定方法

アドバンテスト法

電磁波シールド特性の評価として標準的な測定方法です。
シールドボックス内で特定周波数の電磁波を発信させ、試料を通過する電界および磁界を他方で受信し、試料通過による減衰を測定します。10~1,000MHzの周波数範囲における測定が可能であり、周波数に対応した電界および磁界の遮蔽率を明記します。

抵抗率

電磁波シールド性を表す代用物性値として、抵抗率が用いられます。すなわち、抵抗率の小さいものほど電磁波シールド性が高くなります。絶縁抵抗・体積抵抗・表面抵抗の3種の規格が存在します。

シールド性能の表記

シールド性能は、dB(デシベル)を使って表現します。電磁波がどの程度減衰したかを相対的に表現する数字で、シールド前の電界強度とシールド後の電界強度の比(減衰量)を対数で表現したものです。

シールド性能(dB)=20 × log(シールド後の電界強度/シールド前の電界強度)

例えば、シールドによって電磁波が

  • 1/10になった場合を-20dB (シールド率:90%)
  • 1/100になった場合を-40dB (シールド率:99%)
  • 1/1,000になった場合を-60dB (シールド率:99.9%)
  • 1/10,000になった場合を-80dB (シールド率:99.99%)

と表現します。
コンピュータなどの電子機器の誤作動を防止するためには、一般的に30dB以上のシールド性能が望まれると言われています。

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