環境マークとは

環境保全や環境負荷の低減に役立つ商品や取組みを、パッケージや広告などを通じて、消費者に伝えるものを環境マークといいます。
環境ラベルには、消費者が環境負荷の少ない製品を選ぶ際の手助けになることが期待されており、現状では文章やマーク、広告などのさまざまな形態の環境ラベルが存在しています。
消費者が製品・サービスを選択する際に、品質やデザイン、価格以外の視点として、「環境ラベル」という新しい情報で選べば、市場に今までとは違う力が働き、企業活動や社会を環境配慮型に変える効果が期待できます。
なお、環境マークには、法律で義務づけられている法定マーク、業界団体などが自主的に制定している自主マーク、マーク運営団体が審査し表示を許可するマークなど様々な種類があります。
印刷分野では、それぞれどのようなマークあるのかご紹介いたします。

インキグリーンマーク

インキ中のバイオマス割合を指標として表示するマーク

インキグリーンマークは、NL規制に準拠することを前提とし、印刷インキ中のバイオマス割合を主たる環境配慮した印刷インキに付与できる環境マークです。
本マークは、インキ組成の環境配慮度合いによって3ランクに振り分ける認定基準を設定しています。
ただし、UV硬化型インキは、バイオマス成分を含めることは難しいため、用紙リサイクル性と省エネルギー性を指標されています。

対象物品等 印刷インキ(オフセット枚葉インキ、オフセット輪転インキ、新聞インキ(ノンヒートオフ輪)、UV硬化型インキ)
着目する環境影響 オフセットインキでは、既に大部分のインキが植物油インキマーク、エコマークに準拠している中、今後更なる環境配慮製品の開発を促すことに着目している。
運営主体名及びその概要 印刷インキ工業連合会
運営開始年 2015年

エコマーク

環境のことを考えた製品やサービスにつけられるマーク

エコマークは、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた様々な商品(製品およびサービス)に付与できる環境マークです。
本マークは、国際標準化機構の規格ISO14020及びISO14024に則った日本唯一の第三者認証によるタイプI環境ラベル制度です。

対象物品など ある特定の種類に限定されることなく、"モノ"だけではなく"サービス"も含めた様々な商品
(文房具、制服、建築資材、土木製品、エンジンオイル、スーパーマーケット、カーシェアリング、ホテルなど)
着目する環境影響 個々の商品類型ごとに、資源採取から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体における環境負荷項目を全体的に考慮し、重要と考えられる環境負荷に着目している。
運営主体名及びその概要 公益財団法人 日本環境協会
運営開始年 1989年

植物油インキマーク

植物油を使用した印刷インキに表示できるマーク

植物油インキマークは、植物油を含有した印刷インキ中の植物油含有量基準を満たした植物油インキに付与できる環境マークです。
植物油とは、再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油など植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油などをリサイクルした再生油が対象です。
また、該当インキで印刷した印刷物にもマークの添付が可能です。

対象物品等 印刷インキ(新聞オフ輪インキ、ノンヒートオフ輪インキ、枚葉インキ、ビジネスフォームインキ、ヒートセットオフ輪インキ、UVインキ、フレキソインキ)
着目する環境影響 化石燃料の枯渇(再生産可能な原料)に着目している。
運営主体名及びその概要 印刷インキ工業連合会
運営開始年 2009年

ノンVOCインキマーク

石油系の揮発性有機化合物(VOC)を含まないインキで印刷された印刷物に付けられるマーク

ノンVOCインキマークは、構成成分中の高沸点石油系溶剤を植物油などに置き換えて1%未満に抑えた印刷インキに付与できる環境マークです。
植物油インキよりもさらに進んだ環境にやさしいインキです。
また、該当インキで印刷した印刷物にもマークの添付が可能です。

対象物品など 印刷インキ(オフセットインキ、UVインキなど)
着目する環境影響 化石燃料の枯渇(再生産可能な原料)に着目している。
運営主体名及びその概要 artience株式会社
運営開始年 2000年

NLマーク

環境影響、労働安全、人の健康に対し適切でない化学物質を使用しない印刷インキに付与できる環境マーク

対象化学物質は、NLリスト(ネガティブリスト)として収載されています。
NL規制は印刷インキ工業連合会独自の自主規制で、NL規制準拠製品はRoHS指令に適合しています。

対象物品など 印刷インキ(オフセットインキ、新聞インキ、UV硬化型インキ、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキなど)およびその関連製品
着目する環境影響 製造段階の大気・水・土壌への汚染物質の排出する有害物質と、使用・消費段階及び廃棄段階の生態系への影響する有害物質に着目している。
運営主体名及びその概要 印刷インキ工業連合会
運営開始年 1973年

GPマーク

印刷資材、製造工程、印刷会社の取組全てが、環境に配慮されていることを示すマーク

印刷産業界の環境自主基準に基づくグリーンプリンティング(GP)認定制度には、「GP工場認定制度」「GP資機材認定制度」「GP製品認定制度」の3つの制度があります。
GPマークは、GP製品認定制度でGP認定工場が製造し、用紙、インキ、製本・表面加工方法などが環境配慮基準を満たした印刷製品に付与できる環境マークです。
従来の印刷製品の環境マークが、紙やインキ、または製造工程の一部を対象にしたものに対し、GPマークは資材から工程までの総合的環境配慮マークです。

対象物品など オフセット印刷製品(書籍、雑誌、カタログ、ポスター、チラシ、報告書、事務用印刷物など)、デジタル印刷製品、シール印刷製品
着目する環境影響 各印刷製品の設計、製造からリサイクルに至るまでの環境負荷項目を包括的に着目している。
運営主体名及びその概要 一般社団法人 日本印刷産業連合会
運営開始年 2006年

バイオマスマーク

バイオマスを使用し、第三者機関に認定された商品に表示されるマーク

バイオマスマークは、生物由来の資源(バイオマス)を利活用し、品質及び関連法規、基準、規格などに合致している環境商品に付与できるマークです。
環境効果の可視化して、バイオマス度の下限値を10%とし、認定製品に含まれるバイオマス割合(乾燥重量比)を表示しています。

対象物品など プラスチック類から印刷インキ、洗剤、繊維製品、バイオ燃料、道路の舗装剤など
着目する環境影響 使用したバイオマス原料の乾燥重量割合を「バイオマス度」として定めて重点項目とし、環境商品としてふさわしく品質や安全性が関連法規や基準、規格などに合っているかも着目している。
運営主体名及びその概要 一般社団法人日本有機資源協会
運営開始年 2006年

クリオネマーク

環境に配慮された工程で印刷された印刷物につけられる「環境保護印刷マーク」

クリオネマークは、オフセット印刷の刷板~印刷工程からVOCや有害廃液を出さないことで「ゼロエミッション」を実現環境保護に貢献、配慮した印刷物の1点1点、1枚1枚に付与できる環境マークです。
本マークは、印刷業界の環境負荷低減に寄与した印刷製品の提供を推進する印刷業界のシンボル「環境保護印刷マーク」の愛称です。

対象物品など オフセット印刷物(主に書籍、雑誌、カタログ、ポスター、チラシ、報告書、事務用印刷物など)
着目する環境影響 印刷生産工程において「空気」と「水」を汚さないことに着目している。
運営主体名及びその概要 環境保護印刷推進協議会(略称:E3PA)
運営開始年 2005年

ライスマーク

米ぬか油を利活用したライスインキを使用した印刷物に付与できる環境マーク

印刷インキに使用される大豆油インキは北米から大豆油を運ぶため輸送マイレージ(CO2排出量)が大きく、また食物を工業製品化するという懸念がありました。
しかし、ライスインキは国産の米ぬかから精油されるため輸送マイレージも低く地産地消にも合致します。
ライスインキマーク制度は、「輸送マイレージの削減」「米という本来の食物の確保」「米ぬかの有効利用」、さらにバイオマスの普及させる制度です。
また、該当インキで印刷した印刷物にもマークの添付が可能です。

対象物品など 印刷インキ(オフセット枚葉インキ、オフセット輪転インキ、UV硬化型インキ、グラビアインキ、フレキソインキなど)
着目する環境影響 輸送マイレージ低減、地産地消の推進、食物の確保、廃棄物削減などに着目している。
運営主体名及びその概要 ライスインキ・コンソーシアム
運営開始年 2009年

水性印刷商品認証マーク

100%水性インキで印刷された商品を認証するマーク

水性印刷商品認証マークとは商品のパッケージに使われている包装資材及びリーフレットなどの印刷物
に使用しているインキが、100%水性インキで印刷された商品に対し認証を行う制度です。

対象物品など 印刷インキ(水性グラビアインキ、水性フレキソインキなど)
着目する環境影響 認証制度を通じて、包材の印刷作業環境を改善し、作業従事者の健康維持を図るとともに、大気への揮発性有機化合物の排出削減など、環境に対する企業の社会的貢献活動を促進します。
運営主体名及びその概要 一般社団法人 健康ビジネス協議会
運営開始年 2015年