加齢による見え方の違い(老人性白内障)
白内障は様々な原因によって白内障が濁る病気ですが、原因として多いのが加齢によるもとで、一般に老人性白内障と呼ばれています。老人性白内障は自覚症状がない場合が多いと言われていますが、早い人では40歳代から症状が出はじめ、80歳以上ではほぼ100%の方が発症します。水晶体が濁ることで、どのような見え方の違いが生まれるのか、また白内障の方でも見やすい画像とは何かをご紹介します。
老人性白内障の方の見え方例
水晶体が濁ることで、視力が低下し霞んで見える、明るいところへ出ると光が散乱して見えにくいといった症状が現れます(見え方には個人差があります)。
東洋インキ株式会社は、名城大学との共同研究により白内障の症状をシミュレーションし見え方を確認できるツールを開発しました。白内障の症状が進むにつれて全体的に霞んで見え、色の区別がつきにくくなっていることが分かります。
晴眼者の色の見え方
白内障軽度者の見え方
白内障中度者の見え方
白内障重度者の見え方
加齢による見え方の変化
水晶体のタンパク質は加齢により白濁し、進行するとさらに黄色から褐色に変化します。
加齢による変化は水晶体だけはなく、色の情報を感じる3種類の錐体も加齢により劣化します。錐体の数は、赤が一番多く、緑、青の順で少なくなります。青の錐体が劣化することで3色のバランスがくずれ、「黄色」が浮いて見えてくるようになります。
加齢による変化は水晶体だけはなく、色の情報を感じる3種類の錐体も加齢により劣化します。錐体の数は、赤が一番多く、緑、青の順で少なくなります。青の錐体が劣化することで3色のバランスがくずれ、「黄色」が浮いて見えてくるようになります。
白内障中期ごろになると、イエローの30%(網点面積率)付近と白紙(0%)の区別がつかなくなります。
ただし、紙白の部分の色を尋ねると、黄色ではなく「白」と答えます。これは、これまでの経験から紙の色は白だというイメージがあることから、脳内で変換されるためと考えられます。
彩度を上げると見やすくなる
名城大学との共同研究により開発したシミュレーションツールを用いて、白内障の方にインタビューを重ねたところ、彩度を上げる(鮮やかにする)と画像が識別しやすくなることがわかりました
東洋インキ株式会社が開発した色変換プロファイルChiarossier®を用いることで、白内障者には識別しやすく、また晴眼者にも違和感なく鮮やかに変換することができます。
通常分解(Japan Colorなど)
Chiarossier変換(彩度を上げる)
通常分解を白内障中度者が見た際のシミュレーション結果
Chiarossier変換した画像を白内障中度者が見た際のシミュレーション結果