interview
仕事で得られること
L.Z
トーヨーケム株式会社
技術本部 塗料技術部 2G
2020年入社
数理物質科学研究科 物性分子工学専攻
interview
仕事で得られること
L.Z
トーヨーケム株式会社
技術本部 塗料技術部 2G
2020年入社
数理物質科学研究科 物性分子工学専攻
スキルチャート:入社当時
日本語が母国語でないこともあり、最初は会議などの場面で専門用語が分からず、不安になることもありましたが、何でも相談できる環境で知識を身につけていきました。
環境負荷の低い塗料をつくるという、
挑戦の機会を得られました
私の所属するグループでは飲料缶の内面の塗料の開発や改良を行っています。普段、多くの人は飲料缶の内側のことまでは意識していないと思いますが、内面塗料は金属素材が内容物に溶出するのを防ぎ、内容物の風味や衛生性を保持する役割を持った重要な存在です。開発・改良においては衛生性のほか、基材密着性や塗装性などを考慮する必要があります。
特に現在は環境意識の高まりから、環境負荷の低い塗料の開発が求められています。そのひとつが、私が担当テーマとして取り組んでいる環境負荷の低い水性アクリルエマルジョンの塗料です。国内外のお客様と共に課題解決に取り組んできた結果、今ではスケールアップの段階まで進んできています。
先輩の指導のもと、未経験だった
塗料の知識を身につけていきました
大学院では高分子合成の研究に携わりましたが、塗料の知識やスキルがあったわけではありません。入社後は先輩の指導のもと、合成ノウハウやモノマーの特性への理解を深め、要求される塗料性状や塗膜物性を得るための技術を学んでいきました。
先輩からの指導のおかげもあり、徐々に自分の考えに基づいた処方を作成し、得られた結果を解析・考察して改善するというPDCAサイクルを回せるようになりました。今では、テーマリーダーとして改良の方向性を決定づけられるようになり、成長を実感しています。また、お客様と打ち合わせをしたり、メンバーたちと改良方法についてディスカッションしたり、自分の仮説を検証するために実験したりと、自分で考えて行動できる範囲が広がったことで、これまで以上に仕事が楽しくなりました。
自由なカルチャーから
新しい価値が生まれる瞬間を
間近で見られました
蓋を開けるときめ細やかな泡が発生してお店で飲むような生ビールの味わいやのど越しが体験できることで話題になった「生ジョッキ缶」には、実は私のいるグループで開発された塗料が使われています。以前、当社が開発したある塗料で、蓋を開けたときに泡が立ちすぎてビールが吹きこぼれてしまうという事態が発生しました。一般的な缶ビールにおいて、開けると吹きこぼれてしまうということは大問題です。しかし、当時失敗だったこの知見が、「ジョッキで飲む生ビールの泡を缶ビールで再現したい」というお客様のニーズにマッチし、お客様と当社の塗料の共同開発につながりました。
私自身、メインの担当者ではなかったものの、新製品が生まれるのを隣で見ていました。このヒット製品が生まれたのは、当社が持っている技術知見に加えて、自由に議論できるカルチャーも大きいと思います。生ジョッキ缶のテレビCMや、スーパーで商品を見た時、塗料の仕事をしていることを誇らしく思いました。
語学力を生かして、グローバルでも
活躍できる力を身につけたいです
日本語に加えて中国語と英語を話せる語学力を生かして、将来的にはグローバルで活躍したいと考えています。以前、担当している海外向けの案件で現地立会を経験したところ、なかなか見ることができない生産設備や生産の流れなどを見ることができ、今後の仕事に役立つ知見を得ることができました。国内だけでなく海外でも、生産現場を自分の目で見て、お客様が求めているものを理解し、責任を持って開発するという経験を積んでいきたいです。
そして、素晴らしい製品ができたら、日本だけではなく、世界中に新たな価値を提供したいと考えています。環境意識が高まる中、地球に優しく、社会や人々の生活を変えるような製品を生み出したいです。
経験を通じて知った仕事の楽しさを、
後輩にも伝えていきたいです
開発や改良で良い結果が出た時、お客様や周りの人たちが喜んでくれたり、笑顔になってくれると、「もっと良いものを開発したい」という気持ちが湧いてきます。そのためには、まずは目の前の仕事にしっかりと取り組むことが大切で、それが自然と社会への貢献につながると考えています。
そして社内においては、頼れる先輩社員になりたいです。私自身、入社当初は会議などで皆が話している内容があまり理解できず不安な気持ちになっていましたが、先輩たちにサポートしてもらいながら成長することができました。今度は私が先輩として、仕事の楽しさを伝えていきたいです。
スキルチャート:現在
知識やスキルが伸びていくにつれ、
仕事がますます楽しくなっていきました
知識やスキルの向上はもちろん、風通しの良い職場で働くうちに、仕事がとても楽しくなりました。開発や改良に取り組んでいると、あっという間に一日が終わってしまいます。家にいるよりも会社で働いている方が楽しいくらい毎日が充実しています。